住まい・不動産

「持ち家なら安心」のマイホーム神話はいつまで通用するのか

30年後の「自分と住まい」を考える

 30年前は「なにかあっても、家を売ればどうにかなる」という考えが一般的だったが、今は住まいが資産になるかどうかは場所と物件による。親が残した実家の管理、税金や保険などのコスト負担で、実家が“負動産”となって頭を抱えている人も少なくない。住宅の購入を検討している人は、自分が高齢者になったときに家をどうするかについても、考える必要があるだろう。

 現在、ひとり暮らしの高齢者638万世帯のうち、借家住まいをしている人は約3割。高齢者には持ち家世帯が多いが、持ち家がありながら、配偶者との死別や生活の利便性を求めて賃貸住宅に住み替える人も少なくない。持ち家に住んでいたとしても、賃貸住宅に引っ越したり、施設へ入居したりと、生涯持ち家で過ごすとは限らないのだ。

 もしそうなったとき、管理や維持費ばかりが負担になる持ち家は、自身の子どもや配偶者などにとって“負動産”になってしまう可能性も。住宅購入は、将来のことまでを見越した上で、慎重に検討したい。

※この記事は、『「貯金ゼロ、知識ゼロ、節約ゼロ」でも大丈夫!“もしも”に備える新しいお金の使い方』を元に再構成しています。

【プロフィール】
清水香(しみず・かおり):ファイナンシャルプランナー、社会福祉士。FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu 代表、(株)生活設計塾クルー取締役。財務省の地震保険制度関連の委員を歴任、自由が丘産能短期大学講師、日本災害復興学会会員。著書に『どんな災害でもお金とくらしを守る』(小学館)、『地震保険はこうして決めなさい』(ダイヤモンド社)、『あなたにとって「本当に必要な保険」』(講談社)がある。新刊『「貯金ゼロ、知識ゼロ、節約ゼロ」でも大丈夫!“もしも”に備える新しいお金の使い方』(小学館)も発売中。

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