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【ドル円週間見通し】ドルは売りづらい展開に?

年初のドル円相場はどう動く?

年初のドル円相場はどう動く?

 投資情報会社・フィスコが12月28日~1月8日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週・来週のドル円は底堅い値動きか。米追加経済対策の早期実施は不透明となり、市場の混乱を回避するための安全逃避的なドル買いが続く可能性がある。新型コロナウイルス変異種の世界的まん延が不安視されており、安全通貨のドルは売りづらい展開となりそうだ。9000億ドル規模の米経済対策はようやく与野党間の協議が決着し議会を通過したものの、トランプ大統領が部分修正を求めており、12月28日のつなぎ予算の期限切れ前に議会での修正は不透明な状況。つなぎ予算が失効した場合、29日から政府機関の一部閉鎖などの事態も想定される。この場合、株式や商品からドルや米国債に投資資金が向かう展開となろう。

 米国でのコロナ感染が深刻化するなかファイザー製ワクチンの接種が始まり、モデルナが開発中のワクチンも緊急使用も認可された。ただ、感染力が強いとされる変異種が英国を中心にまん延し、これまで開発されたコロナ向けワクチンの有効性に関心が集まり、リスク許容度は低下している。

 一方、米経済指標は強弱まちまちで見極めにくく、1月8日発表の12月米雇用統計が注目される。雇用拡大のペースが鈍化すれば、リスクオフのドル買いが強まるとの見方が出ている。米連邦準備制度理事会(FRB)が、1月6日に公表する12月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も材料視される。実質ゼロ金利は長期化するとみられ、ドルの戻りを抑制しよう。

【米・12月ISM製造業景況指数】(2021年1月5日発表予定)
 1月5日発表の米12月ISM製造業景況指数は56.5と、11月の57.5を下回る見通し。コロナまん延で制限措置の強化による影響が示され、株売り・ドル買い要因となろう。

【FOMC議事要旨】(1月6日発表予定)
 FRBは、1月6日に12月15-16日に開催したFOMCの議事要旨を公表する。追加緩和は見送られたが、ハト派姿勢の長期化を確認できれば改めてドル売り基調に。

【米・12月雇用統計】(1月8日発表予定)
 1月8日発表の12月雇用統計は、失業率6.8%、非農業部門雇用者数は前月比+6.3万人と予想される。雇用回復ペースは鈍化し、経済の早期正常化への期待は後退することから、米国株式は下落するが、ドル買いが見込まれる。

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