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もはや湯呑みは時代遅れ? コロナ禍で変化する「来客用のお茶出し」文化

「これまでは、コーヒーかお茶のどちらかを選び、受付の女性が人数分淹れて持って来てくれるというシステムでした。でも、この時期、そもそも来客数が少ないので、コーヒー粉や茶葉も古くなってしまう。また、そういった人の手が介入したものはなるべく避けたほうが良いという判断のもと、水とお茶の小型ペットボトルが採用されました。これまでは、受付の女性が飲料を運んでいましたが、打ち合わせに参加する社員自らが運ぶことになりました」(中山さん)

 ペットボトルシフトは、職場でお茶出しする役目を女性が担うという“古い慣習”にも変化をもらしているようだ。建設業界で働く30代の女性会社員・小川さんは、常態化していた女性のお茶出し業務が激変したことを明かす。

「うちの会社は、お茶出し業務は女性が担当するという暗黙の了解があり、給湯室の片付けも女性の間で当番制でした。正直、時代錯誤ですよね……。ペットボトルが採用されて、お茶の用意や片付けからやっと開放されたと清々しい気持ちです」(小川さん)

 小川さんによれば、お茶出しをペットボトルにするにあたっては、60代の男性役員から「おもてなしとしていかがなものか」「直接ペットボトルに口をつけるのははしたないのではないか」などという意見も出ていたという。だが最終的には、40代の男性上司の意見が通ったかたちになった。

「役員に対して、『来客者に対する感染対策の意味もあるが、同時に社員に湯呑みを洗わせるのは、このご時世感染リスクにつながる。自分の会社の社員を守らなくてどうするんですか』と言ったそうです。

 よく考えたら、新しい会社やIT企業ではもともと小さいペットボトルで提供するところが多いですよね。古い体質の会社が、『お茶出し=女性』という慣習を改めるよい機会になったと思います」(小川さん)

 一方、そもそも来客者にお茶を出す慣習自体を、コロナを機に見直した会社もある。印刷会社に勤務する40代の女性会社員・中野さんは、同社がお茶出しを見直した経緯をこう語る。

「ミーティングテーブルにアクリル板は設置しているのですが、なるべく黙って飲食することが推奨されるなか、『お茶出しをしてマスクを外す機会を提供してしまうのはどうなのか』という議論になりました。正直なところ、マスクをしていると喉も乾きがちですし、お茶を飲んでいただきたい気持ちはあるのですが……」(中野さん)

 コロナ禍で旧来型の価値観が見直されることが多いが、お茶出しもその一つ。時代に合わせたアップデートが進みつつあるようだ。

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