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老後マネーの取り扱いは慎重に 「退職金特別プラン」「生前贈与」に落とし穴も

老後資金を投資に回す場合は特に注意が必要(イメージ)

老後資金を投資に回す場合は特に注意が必要(イメージ)

 老後の不安を最も左右するものが資産だろう。2年前には金融庁が、「年金だけでは老後資産が2000万円不足する」との報告書を出し、大騒動となった。だが資産を増やすため、良かれと思って取った行動が、思いがけないトラブルを招くこともある。特に定年後、虎の子の退職金を投資に回すのは要注意だ。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが警鐘を鳴らす。

「銀行マンや証券マンはシニアの退職金に狙いを定め、投資資金と円預金をセットにするなどの『退職金特別プラン』をすすめます。こうしたプランは『預金金利7%!』といった高い金利が売りですが、実は3か月限定など短期間のみの適用というケースがほとんど。セットで申し込む投資信託の手数料の方が高く、トータルで見ると大損する可能性があるので注意してほしい」

 一括で保険料を支払い、死後に受取人が保険金を受け取る「一時払いの終身保険」も失敗につながりやすい。

「営業マンから『相続税対策になる』とすすめられても加入してはダメ。そもそも妻と子2人が残された場合、相続税が生じるのは遺産が4800万円以上ある家庭だけで、ほとんどの人は相続税とは無縁です。2019年の調査で相続税がかかったのは死亡者全体の8.3%しかいません。高齢化が進み、思った以上に長生きする可能性が高いのに、終身保険に加入して一括で大きな保険料を払うのは、お金の無駄でしかない」(三原さん)

 子供のためになり、相続税対策の一面も持つ生前贈与にも落とし穴がある。

 特に「1人毎年110万円までの贈与は非課税」という「暦年贈与」にトライする場合は気をつけたい。

「親が子供や孫名義の通帳をつくって毎年110万円を入金したところ、親の死後に相続税逃れの入金だったとみなされ、相続税を課された事例があります。暦年贈与をする場合は、毎年『贈与契約書』を作成して贈与をする側とされる側がサインしておけば、双方の合意に基づく贈与であるとアピールできて税務署に認められやすくなります」(三原さん)

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