中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

地方移住して驚いた 子供が知らない大人に挨拶することの是非

母から「すれちがう人には挨拶するように」の教え

筆者が川で遊んでいるとどこからともなく子供たちが声をかけてくる

筆者が川で遊んでいるとどこからともなく子供たちが声をかけてくる

 私も2020年10月まで住んでいた東京時代は、街の子供たちに声をかけることは一切ありませんでした。それが、佐賀に住み始めてから逆に子供たちから挨拶されるようになって、とても驚いています。

 商店街を歩いていると少年が突然「こんにちはー!」と挨拶をしてくる。公園で大勢の少年が遊んでいる中、なじみのネコがいたため撫でていたら「こんにちはー! そのネコ、飼ってるんですかー!」と声をかけてくる。

 スッポンを捕まえるために網を持って川に入っていったら大勢の少年がいて「何を捕まえようとしてるんですかー!」と聞いてくるので「スッポンだよ」と言ったら「えぇぇ! いるんですかー! 捕まえたら売りに行こう!」と言います。

 そして、「君らは何を捕まえようとしてるの?」と聞いたら「鯉です!」と言う。すぐに鯉が少年の網に入り、私に「この鯉、そのバケツに入れるのを手伝ってください!」と私の持っている網に鯉を入れてくる。

 こうした光景が日常的に展開されているのです。これに驚いた、と佐賀のメディア関係者に伝えたらこう言われました。

「そんなん、僕らにとっては当たり前です。都会がおかしいだけじゃないですか? 挨拶ってするものでしょ?」

 そして、ある日、たまたま知り合いになった商店街の店主の女性と喋っていたところ、一人の少年が「こんにちはー!」と言って店に入ってきました。なんと、普段すれ違うと「こんにちはー!」と挨拶するあの少年でした。

「息子さんだったんですか? 彼、いつも挨拶してくれるんですよ」と伝えたところ、お母さんはこう言いました。

「私、日中仕事しているから、あまり面倒みられないんですよ。だからとにかく商店街ではすれ違う人に挨拶をするように伝えています。そうして皆さんの印象に残しておけば、私が仕事でどこかに行っているときにトラブルが起こっても、助けてくれる人がいるかもしれませんから」

 これは「確かに」と思いました。もしもこの少年が私に対して「お母さんがいなくなってしまったのですが、とにかくお腹が空いていて死にそうです」などと言ってきたら何らかの手助けをすることでしょう。

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