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若者を押し潰す超高齢社会 ねんきん定期便から見える「年金制度の欺瞞」

 世界的な「リベラル化」で生きづらさを強いられているところに、「超高齢化」による負担が重なって、日本の若者は人生が「無理ゲーの2乗」になっている。こうして、チート(イカサマ)でなんとか無理ゲーを攻略しようと考える若者が増えている。リスクは高いが、一発当てれば大儲けできたビットコイン投資が、若者の間で流行するのはある種の必然だろう。もはや裏道を使ってでも、この無理ゲーをクリアしなくてはならないのだ。利己的な考えが蔓延して社会がバラバラになるのは、「リベラル化の必然的な帰結」と言える。

 困難は若者にだけ降りかかっているわけではない。「人生100年時代」を迎え、老後がどんどん長くなって、60代や70代でも、いったん困難な状況に陥ると挽回するのは難しい。

 熟年離婚が増えたことなどから、シルバー婚活市場が活況だというが、高齢男性の婚活は年金などの収入で「ランク分け」されている。実際に婚活経験者の話では、月収50万円以上がAランク、20万円以下がCランク、その中間がBランクで、Cランクはまったく相手にされず、Aランクの男には一人暮らしに不安を感じる40代、50代の女性が殺到するのだという。これが、高齢者の恋愛までが自由化された結果だ。

悪者を探しても意味はない

 社会保障の逼迫は経済問題なので、それを解決しようとすると、収入を増やすか支出を減らすしかない。前者は消費税増税や富裕層への課税強化、後者は高齢者の医療費の削減などが検討されている。「命は無条件に大切」という“正論”に阻まれてこれまでほとんど議論されてこなかったが、人生の最末期の延命治療には巨額の医療費が投入されており、その是非を考える時期は早晩やってくるだろう。国民年金の満額支給より生活保護の額が多いことに納得するのは難しいが、だからといって年金を上乗せすることもできないから、世の中はどんどんギスギスするばかりだ。

 社会的に解決できない問題は、個人的に解決するしかない。

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