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『3つの軸』同士の関わり合い

『3つの軸』同士の関わり合い

 高校、大学と野球部に所属していた新人記者は、「今日は何回バットを振る」など、細かい目標を立てて達成することにやりがいを感じていた。

「スポーツ選手に多いのが『自分軸』。スポーツは結果や記録が明確な数字になるため、目標設定がしやすいんです。今後は仕事でも、具体的な数値目標をこまめに設定することがモチベーション維持につながるでしょう」(今村氏)

 次に、ベテラン記者の『社会軸』については。

「『社会軸』に該当するのは全体の24%で、比較的珍しいタイプです。『社会軸』は自分に何ができたかというよりも、“社会的に大きな変化を生むこと”に喜びを感じるタイプで、著名人で言えば坂本龍馬や孫正義氏がこれに当たります」(同前)

 ベテラン記者はこれまで芸能や事件を担当し、自分の記事で世の中に反響を与えることが仕事のモチベーションだった。

 二人が共に該当しなかった『相手軸』について、今村氏はこう解説する。

「好きな人や身近な人に頼られたり、感謝されることに喜びを感じます。自分のために頑張るのは苦手な一方、人のためであれば自分が持つ以上の力を発揮することができます。実は私が『相手軸』なんですが、『相手軸』は基本的に簡単なんです(笑)。“あなたのことを見ているよ”と伝えられるとすぐ、その人のために頑張ろうと思えるんです」

 3つの『軸』の説明が終わると、「話はここからが本番」と今村氏は続ける。

「上司や部下、身の回りの人々がどんな『軸』なのかを知れば、コミュニケーションがグッと楽になります。例えば自分の部下が『自分軸』なら、優しい気遣いや共感はかえって逆効果。明確な結果を基に良い点も悪い点も指摘してあげることで、その部下の信頼とモチベーションは上がります。

 ここで重要なのは、自分と他人の軸は必ずしも一致しないということ。問題が生じるのは大抵、上司が部下に異なる『軸』の価値観を強要している場合です。世代間ギャップを原因に挙げる人もいますが、根本的な原因は『軸』の不理解にあるんです」

 テキストには、それぞれの『軸』同士でどういうトラブルが起きやすいか、反対にどういった点に魅力を感じるかがまとめられている(別掲表参照)。中級講座以降ではこの『3つの軸』を基に、詳細な分析や、ストレス時など特定の状態時に現われる性質について学ぶと予告され、計3時間の初級講座は幕を閉じた。

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