2022年は、日本社会が大きな転換点を迎える年だ。戦後のベビーブーマーの「団塊世代」が後期高齢者(75歳以上)に突入し、高齢社会はこれからピークに向かう。「高齢者3経費」と呼ばれる医療給付、年金支給、介護給付などの社会保障費が増大する。
この「2022年問題」に対応するため、政府は医療や年金、介護から相続まで制度を変更し、高齢世代の負担を増やそうとしている。それらの制度変更が目白押しなのだ。
別掲のリストはどんな制度変更があるかのスケジュールをまとめたものだ。4月には高齢者が年金をあてにせずに働くように年金制度が大きく変わり、医療制度は10月から後期高齢者が病院にかかった時の窓口負担がこれまでの原則1割から2割に倍増される。介護費用はすでに2021年8月に「高額介護サービス費」の自己負担限度額が変わり、実質的な負担増となっている。
こうした負担増は高齢世代だけではない。
国はこの間のコロナ経済対策に100兆円以上の財政資金を注ぎ込んだ。その穴埋めのための国民への負担増も始まる。手始めに、与党は2022年度の税制改正で住宅ローン減税の縮小を打ち出し、コロナ対策で財源が枯渇した雇用保険料の値上げも確実だ。こちらは現役世代が主なターゲットにされる。
この年末年始から、18歳以下の子供がいる世帯や年金生活などの低所得世帯(住民税非課税世帯)、困窮学生に1人10万円の支給がスタートする。だが、その先には、高齢世代と現役世代ともに大きな負担増が待ち受けているのだ。以下、2022年1~12月の主な「お金の制度変更」スケジュールを紹介しよう。