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キャリア

本社と子会社、正規と非正規… 雇用形態の違いが生む社員同士の軋轢と苦労

同じ組織で働く以上、円滑なコミュニケーションを取りたいものだが…(イメージ)

同じ組織で働く以上、円滑なコミュニケーションを取りたいものだが…(イメージ)

 一口に「会社の同僚」と言っても、雇用形態や学歴の違いなどにより、待遇が異なるケースは珍しくない。同じ組織で異なる属性の人たちが一緒に働いていると、どうしても互いに不満を抱きやすくなり、場合によっては、軋轢が生まれてしまうこともある。そうした不和に苦労した人たちに話を聞いた。

エステサロン技術職で大卒と専門卒の待遇差

「大卒と専門卒スタッフの間に溝が生まれている」というのは、エステサロンで働く20代女性・Aさんだ。自身は専門学校卒だが、勤務するエステサロンならではの事情がある。

「私の働くエステサロンには系列の専門学校があって、卒業生の多くがサロンに技術スタッフとして就職します。ただしサロンのスタッフ採用時にはそこの専門学校卒じゃなきゃダメということは全然なく、同期にはほかの専門学校卒や大卒の子もいます。ただ、美容系の専門学校卒のスタッフはすぐにお客さんにつけますが、大卒の子は技術が身についていないので、まずは半年弱のトレーニングを積んでからになります」(Aさん)

 Aさんは、大卒の同期に抱くモヤモヤを吐露する。

「その子自身はすごくがんばり屋さんだし、いい子です。でも正直、私たちのほうが専門的なことを2年かけてしっかり学んでいるのに、半年足らずでお客さんにつくようになるのはおかしいですよね。半年がおかしいとかじゃなくて、私たちが2年もいらないじゃん、という気持ちになるじゃないですか(笑)。

 そのうえ、基本給は大卒の子のほうが高い。専門学校卒だと22歳になっても大卒の初任給に追いつかないのに」(Aさん)

 一方で、当の“大卒”である同僚女性・Bさん(20代)も、専門学校卒のスタッフの気持ちはわかるという。

「そりゃそう思われるよね、と思います。でも私は私なりに美容系の仕事で、かつ“現場”で働ける職種に憧れがあって就職しているわけで……。基本給に関しては、私がどうこうできる立場じゃないし、ごめんなさいという気持ち。専門学校卒の子たちと一緒に働くようになって、私が大卒というだけで、こちらかたしたら何気ない一言でも、上から目線と受け取られてしまうことがあることは学びました。以来、言い方や態度には、より気をつけるようにしています」(Bさん)

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