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花屋、靴屋、美容師… 憧れの職業「こんなはずじゃなかった!」と辞めた人たち

美容師「カットはできてもトークができない」

カットの技術だけでは成り立たない?

カットの技術だけでは成り立たない?

 現在は1000円カットの店で働くYさん(30代/男性)は、かつてカリスマ美容師に憧れ、美容師の国家試験にも合格。専門学校を出た後は美容院激戦区の東京・青山にある有名美容院に就職したが、6年ほど続けた後、1000円カットの店に鞍替えした。カリスマ美容師への道は諦めたのだという。

「事前に先輩たちから色々な話を聞いていたので、自分としては納得して就職したつもりでした。最初から髪を切ることができるわけではなく、まずはシャンプーばかりやることや、シャンプーとパーマ液で手が荒れること、切る練習は閉店後にやるしかないので、睡眠時間が削られること等々……。それくらいはもちろん覚悟のうえで、頑張ってカットさせてもらえるようになりましたが、どうしても苦手だったのがトークです。

 オーナーには『“そうですね”とか、相槌を打つだけでもいい』と言われましたが、会話に緊張しすぎて手が止まってしまうこともありました。だからいつも、お客さまに押し付けるように雑誌を渡していましたが、パーマのお客さまだと何時間も掛かるので、まったく会話をしないわけにはいきません。話すのが好きじゃないお客さまもいるとはいえ、こちらが仏頂面だとマズイですよね……。終いにはノイローゼ気味になって辞めました。その点、1000円カットは切る時間が短くて話すヒマも無いので、何とかやれています」(Yさん)

 そんなYさんだが、ここ1~2年はコロナ禍で“話をしなくてもいい”状況になったうえ、マスクをしている安心感から余計な緊張もしなくなったという。「これなら元の職場で働き続けていても大丈夫だったかも」と思っているYさんだが、自身の場合、高級美容院時代と現在の1000円カットでは、1000円カットの方が稼げているそうだ。

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