吉田みく「誰にだって言い分があります」

「正解がわからない…」別れの季節の“お礼の贈り物”が主婦の頭と懐を悩ませる

子供同士の「贈り物」、適正予算は?

 感謝の気持ちを伝えたいと思うのは大人同士だけではない。夫と12歳の娘と3人家族の都内在住のパート主婦、ユミさん(仮名・45歳)は、子供同士のプレゼントのやり取りの話を聞いて、「親として乗り気でない」という。

「今年の春、小学校を卒業する娘がいます。先日、『仲良しのAちゃんとBちゃんにプレゼントを贈りたい』と相談されました。娘曰く、小学校でお世話になったからだそうです。しかし、AちゃんとBちゃんとは同じ中学校に行きます。……そんな状況でプレゼントのやり取りって必要でしょうか?」

 子供同士の気持ちを否定するつもりはないが、ユミさんが気がかりなのはプレゼントの予算だった。AちゃんとBちゃんにそれぞれ2000円ずつのプレゼントを贈りたいのだそうだ。予算金額は3人で決めたという。しかし、ユミさんの家では月のお小遣いは600円しか与えていないため、1人あたり2000円のプレゼントは「高すぎる」と思ったそうだ。

 ユミさんは娘に予算設定が高いこと、それでもやるならお小遣いから捻出するようにと伝えたが、娘は「そんなに持ってないから無理」の一点張り。それならプレゼント交換はやめるように言うと、「もう約束したからそれも無理」と怒りだしたという。

「私は出すつもりはないと言いましたが、最終的には夫が『特別なことだし、いいじゃないか』と言って、家計から4000円を出すことになりました。娘はすごく喜んでいましたが、本当にこれで正解だったのでしょうか……」

 ユミさんの娘が選んだのは、アクセサリー数点。大型ショッピングモールで購入し、予算はそれぞれ2000円以内に収めたそうだ。娘の笑顔は嬉しかったものの、未だにモヤモヤとした気持ちが晴れないと、本音を漏らしていた。

「AちゃんとBちゃんの親御さんはどのようなお考えをお持ちなのか……。お会いしたことがないのでどんな方か分かりませんが、この件がきっかけで面倒なことに発展しないことを願うばかりです」

 希薄化が指摘されて久しい人間関係において、気持ちを表すための「贈り物」には賛否両論がつきまとう。ケースバイケースなので正解はないかもしれないが、感謝の気持ちを伝える手段はモノだけが答えではないことも忘れないでおきたい。

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