中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

“ポイ活できない男”の特徴 「整理整頓が苦手」「面倒くさがり」「スマホ持ってない」

一応とっておくものの、使おうと思う時にないのも“あるある”だ

一応とっておくものの、使おうと思う時にないのも“あるある”だ

ポイントを貯めてやっと手にした「500円割引券」の行方

 でも、そんな私でもちょっとだけ使えるポイントはあります。まずはAmazonポイント。これは便利ですね。新しく何かを買う場合にポイントを使うかどうかを教えてくれるから、9ポイントだろうが32ポイントだろうが全部ぶっこむ。ポイ活している人からすれば、効率的なポイントの貯め方・使い方ではないかもしれませんが、これで十分。

 そして、ある程度使っているのが、スーパーのプリペイドカードです。そのスーパーのカード会員になると、「1万円チャージ時に50ポイント付与」「毎月1万円以上買い物をするとポイント5倍クーポン4枚他の特典付与」なんてクーポンが送られてきます。これらをハサミで切り取って、時々はスーパーで使うこともあるのですが、どうしようもなく管理下手な私は、このクーポンの行方がわからなくなってしまうこともしばしば……。さらに5倍クーポンを使って買い物してポイントを貯めて、やっとのことで手にした特典の「500円割引券」までなくしてしまう。

 こんな風なので、ポイ活できる人は本当にすごいと思うんですよ。私は今度、新刊(『よくも言ってくれたよな』新潮新書。6月17日発売)を出すのですが、先日それをツイッターで告知したところ、「楽天ポイントが3倍になる毎月1日に注文しますね」と反応してくれた人がいました。これには私のような横着者からすれば脱帽。「なんでそんなこと知ってるんだよ……」と。

 結局、「ポイ活」ができる人は、人生のすべてにおいて目配りができる人々で、ちょっとした選択でも「こちらを選んだ方が得だ」と瞬間的に判断できるのでしょう。一方、私は「これで得しなくても、いちいち知識を仕入れるのも、作業もするのも面倒。だったらその分、多く仕事するわ!」といった感覚になる。さらには、関係ないかもしれませんが、部屋も汚い。

 ポイ活ができる人・できない人というものはここまで違うのだとつくづく感じます。幸いなことに日々の生活費には困っていないうえに、ローン支払いなどもないので、自分の銀行口座の正確な残高さえわかっていませんが、困ることはありません。毎度「あっ、カネ、出てきた。良かった」と思うだけです。

 というわけで、ポイ活ができない人は「向いていない」だけなんだと思います。そんな人は、日々のポイント目当てに余計なストレスを抱えるのではなく、せっせと働いて、ATMからその都度、必要なお金を引き出せるぐらいの生活でよいのでは、と考えるようになりました。私は「ポイ活」、諦めました。あまりにも几帳面な人とのレベルが違う。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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