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宝くじ3億円当せんの女性は音信不通に なぜ“一攫千金”は不幸を呼び込むのか?

大金が転がり込んできた事例その1(イラスト/Getty Images)

大金が転がり込んできた事例その1(イラスト/Getty Images)

 なぜ“一攫千金”は不幸を呼び込むのか。金融系のウェブサービスを提供するマネーフォワードの創業者のひとりで投資や金融資産の管理に詳しい瀧俊雄さんが解説する。

「同じ“大金”であっても、退職金ならば数十年働いて得たという実感があるうえ、先輩や上司の例を知っているため、浪費にはつながりにくい。ところが“棚ボタ”による大金は、完全なる不労所得のうえ心の準備がまったくない状態で降ってくる。

 いわば異常事態なので正常な判断ができなくなり、すぐに浪費してしまったり、投資でもっと増やそうと考えて失敗してしまう。すぐに仕事を辞めてしまう人も多いですが、働いていなければ空白の時間が増え、暇つぶしにもお金を使うことになる。そうなれば年間で1000万円や2000万円は簡単になくなってしまいます」

 精神科医の樺沢紫苑さんも、宝くじが当たった人の7割が自己破産しているというデータを挙げつつ、その原因をこう分析する。

「高額当せん者を対象に行った調査でも幸福感が持続するのは当せんからたったの2か月であることが明らかになっています。2か月を過ぎると幸福感は『普通の人と同程度』か『むしろ低い』という調査結果もある。

 お金や成功、地位、名誉などを手に入れて幸福を感じると、私たちの脳内では『ドーパミン』という神経伝達物質が分泌され、強い高揚や興奮を感じます。しかし、ドーパミンの分泌時間は短く、せいぜい2~3か月しか続きません」(樺沢さん)

 一攫千金にはくれぐれも注意したい。

※女性セブン2022年6月23日号

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