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理不尽、筋違い、無理難題… 現場で働く人たちが呆れる「お客様の声」のリアル

近年では大学でも、学生による授業評価アンケートを取るのが常識になりつつある(イメージ)

近年では大学でも、学生による授業評価アンケートを取るのが常識になりつつある(イメージ)

教師も評価に晒される時代に

 教師も一種のサービス業といえるかもしれないが、保護者からの意見には怯えている。都内の公立小学校教諭のKさん(30代/女性)はいう。

「先日、コロナ禍で中断していた集団登校を再開すべきかどうか意見を募りましたが、こんなにボロクソに言われるとは思いませんでした……。『子供が集まると近所迷惑になる』『集団でノロノロ歩くのは時間のムダ』『強要しないで欲しい』と、反対意見が大量に寄せられ、あまりの拒否反応に、新任の教師はショックで涙を流していました」(Kさん)

 不満を汲み取るためにアンケートを行ったのだから、率直な意見には感謝すべきかもしれないが、読み手への配慮に欠けるものは少なくない。

 近年では大学でも、学生による授業評価アンケートを取るのが常識になりつつあるが、教える側にとっては大きなプレッシャーだという。都内の私立大学で教えるYさん(40代/男性)はいう。

「ウチの大学の場合、質問は『分かりやすいか』『聞き取りやすいか』『板書は見やすいか』など10項目で、その他自由に記入する欄があります。でも、『学者としては優秀かもしれないが、学生に教える能力は欠けている』とか、『教える情報が古い。昭和の時代からアップデートされていないのでは』といった書き込みを見ると、自分のことでなくても落ち込みます。学生がそう感じたのであれば、仕方ないですが……。

 私自身も1年目の時、『この教員には熱意がある』という質問への評価が、他の質問よりダントツに低くて落ち込み、大いに反省しました」(Yさん)

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