家計

相続から2年後に届いた1億円の請求書…「連帯保証人の立場」を相続する悲劇

これをやったら「相続放棄」が認められない主なNG行為

これをやったら「相続放棄」が認められない主なNG行為

税金の未払いが時効になることはほとんどない

 相続される負の財産は連帯保証人だけではない。千葉県の日室浩司さん(49才・仮名)は、自営業の父の財産を相続した9か月後、ショッキングな事実を知った。

 父が所得税や住民税を滞納しており、総額600万円分の督促状が届いたのだ。しかし、7~8年前の未納分だったので「時効だろう」と放置していた。すると突然、税務署に銀行口座を差し押さえられた。椎葉さんが説明する。

「税金の未払いも相続されるうえ、督促されるたびに時効は延長されるため、時効になることはほとんどありません。このケースのように、直ちに対処しないと差し押さえられることもあるので要注意です。あるケースでは、突然死した父の遺品整理中に、家族の誰も知らなかった3000万円の借金が見つかりました。死後に“隠れ借金”が出てくることも多く、相続には細心の注意が必要です」

 親の資産と負債のどちらが多いか不明の場合、「限定承認」という選択肢もある。

「万が一、後から負債が出てきても相続した財産の範囲内でしか払わなくてよいルールです。相続発生から3か月以内に相続人全員で家裁に申し立てて承認を受けるなど、手続きは煩雑ですが、後からわかった負債を引き継ぐリスクを抑えられます」(椎葉さん)

 失敗しない相続のために、何より大切なのは故人の資産を正確に把握することだ。生前からコミュニケーションを取って、借金や連帯保証の有無について聞いておきたい。

 亡くなってからは全国銀行個人信用情報センターなどの機関に照会すれば、加盟事業者からの借り入れ状況などがある程度はわかる。不安な場合は、相続に強い司法書士や弁護士に早めに相談を。

 誰もが相続に直面する時代だけに、危機を賢く回避する方法を身につけておきたい。

※女性セブン2022年7月7・14日号

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