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ゴミやフンなどの「鳥害」から生活を守るために 専門家が教える鳥の撃退法

「鳥害」にどう対策すべきか(イラスト/はまさきはるこ)

「鳥害」にどう対策すべきか(イラスト/はまさきはるこ)

 都市部ではカラスのゴミを漁って散らかし、ハトがフンを撒き散らす。農地ではカラスやムクドリが作物を食べてしまう──。多くの人が悩んでいる「鳥害」。対処するにはさまざまな方法があるが、専門家の意見はどうだろうか。日本鳩対策センターの大橋美都里さんは、こう説明する。

「フンを放置するとニオイが残り、居着くきっかけになります。見つけたらすぐに水で流し、除菌もできる食器用中性洗剤をかけ、ブラシなどで汚れとニオイを取り除くこと。特別な洗剤や器具は必要ありません。乾いている場合は、お湯でふやかしてから同様に。乾燥したハトのフンを吸い込むと『クリプトコックス症』(*1)に感染する危険もありますので、ゴム手袋、マスク、防護メガネなどで防護しましょう。

 卵が生まれてしまうと『鳥獣保護法』(*2)により、雛が巣立つまで巣の撤去ができなくなるため、居着く前の対処が必要です。ハトは三方を囲まれた場所を好むので、室外機周辺などの風通しをよくしておきましょう」

【*1クリプトコックス症は、鳥由来の感染症で、無症状のことが多いが、免疫力が低下すると脳炎や肺疾患を発症する。ハトのフンなどが感染源の1つ】

【*2卵や雛がいる巣を許可なく撤去すると「鳥獣保護法8条」の違反になり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金。市町村に申請を行い、許可が下りれば撤去は可能】

 カラスに関しては、ネットやフタ付きのゴミ箱などで徹底的にゴミをつつかせない環境作りがとにかく大事だ。

 農作物の保護は、物理的に作物に触れさせない防鳥ネットが、最も効果があるそうだ。農研機構の上級研究員・吉田保志子さんが解説する。

「鳥は食べたら出す自転車操業で、スズメのような小鳥だと、丸一日食べなければ死んでしまう。命がかかっているので、キラキラの鳥よけなどに一瞬は怯んでも、『飢え死にするよりマシ』と危険を冒します。いつかは見破られることを念頭に置き、鳥よけの種類や場所を変えるなどの工夫をしてください。

 防鳥ネットを張る場合、狙った鳥より小さい網目のものをすき間なくかけないと効果がありません。たとえばスズメなら20mm、ムクドリなら30mmの網目が適正です。鳥は狭いすき間からでも入り込むうえ、有害鳥類ではない野鳥が絡まってしまう事故も起きています。テグスは、カラスには比較的効果がありますが、ほかの鳥には、残念ながらあまり効き目はありません」

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