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吉田みく「誰にだって言い分があります」

もう「職場への旅行土産」は不要なのか? 50代女性が「買うんじゃなかった」と後悔するワケ

休み明け、職場に旅行のお土産を持参する風習も今は昔?(イメージ)

休み明け、職場に旅行のお土産を持参する風習も今は昔?(イメージ)

 行動制限のない今年の夏休み。3年ぶりの旅行や帰省を楽しんだ人も多かったようだ。しかし、新型コロナ第7波の到来により、お盆休み明けには、全国の新規感染者数が過去最多を更新する事態となっている。こうした状況下で、自身や家族の感染が発覚して予定を断念したり、感染状況を考慮して夏休みの旅行や帰省を見合わせたという人も少なくないだろう。そうしたなか、旅行に行った人とそうでない人の間で、人間関係の亀裂が生じるケースがあるようだ。なぜそんなことが起こるのか。この夏、久しぶりの家族旅行を楽しんだという都内在住のパート主婦の話から、フリーライターの吉田みく氏が考察する。

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 夫と社会人の娘を持つ都内在住のパート主婦、アケミさん(仮名、54歳)も久しぶりの家族旅行を楽しんだ一人。しかし旅行から帰った後、職場での人間関係でトラブルが生じたという。

「第7波のなかではありましたが、今年の夏は家族で2泊3日の沖縄旅行へ行きました。娘も20代後半になり、この先、ゆっくり家族旅行ができる機会もそんなに多くはないはず。行動制限がない今は、コロナ対策は自分で判断すればいいと思ったからです。せっかく旅行へ行ったので、職場の仲間にお土産を買ったのですが、どうやらそれが余計なことだったようです……」(アケミさん、以下同)

 アケミさんは近所のスーパーでレジ打ちのパートをしている。旅行から帰った休み明けの出勤日、沖縄土産を持って行ったそうだ。「沖縄いいね! 楽しかった?」と聞いてくる人、「お土産ありがとう!」と喜んでくれる人が多かったという。しかし一部のパート仲間からは、呆れ顔をされたそうだ。

「10年以上勤務しているベテランのパートさんたちから、『ニュースで見たんだけど、沖縄って感染者数増えてるんだよね? それなのに旅行に行ったの?』と言われました。たしかにそうですが、旅行の手配は感染者数が落ち着いていた6月ごろに行っており、第7波が問題になったのは、すでにキャンセル料金が発生する段階だったんです。かなり悩みましたが、キャンセル料は私のパート代1か月分を優に超える金額だったので、感染対策に気を付けて密を避けつつ行くことを決めました」

 実際、行き帰りや現地ではできる限り、考えられる限りの対策を行ったという。

「旅行中はレンタカーを借りて移動して人混みを避け、滞在中もホテルでゆっくりとした時間を過ごすなど、家族以外の接触はほぼありませんでした。そのことも伝えましたが、『飛行機って密じゃない?』とか、『万が一、沖縄で陽性になったらどうするの』といったことばかり言われて……。それでモヤモヤした気持ちになっている時に、旅行先で娘が発したある一言を思い出したんです」

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