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大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

「1人あたり1000万円超」の借金大国・日本 財政を健全化する方策は2つしかない

2022年9月24日 7:00 週刊ポスト

なぜ日本政府は、これほど野放図に借金できるのか?(イラスト/井川泰年)
なぜ日本政府は、これほど野放図に借金できるのか?(イラスト/井川泰年)

 岸田政権は10月に「経済総合対策」を策定すると発表した。こうした緊急の経済対策には補正予算が組まれ、赤字国債が発行されることも少なくない。政府は膨らみ続ける財政赤字への対策を明確にはしていないが、どうすれば「国の借金」は減らせるのだろうか。経営コンサルタントの大前研一氏が、借金大国・日本の現状を解説する。

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 国の2023年度一般会計予算における各省庁からの概算要求総額は、過去2番目の規模となる110兆484億円だった。年末の予算編成段階で要求額はさらに膨らむ見込みだという。

 一方で、日本の「国の借金」(国債・借入金・政府短期証券の合計)は、6月末時点で1255兆1932億円に達して過去最大を更新し、国民1人あたりで単純計算すると初めて1000万円を超えた。これは今後も増え続けることが確実だろう。

 借金大国・日本の現状を見て私が思い出すのは、1984年から1989年までニュージーランド首相を務めたデビッド・ロンギ氏の大改革だ。

 ニュージーランド経済は国民党政権下の1970年代後半から悪化の一途を辿り、インフレの加速や経常収支の悪化が続いて国民1人あたりの借金は世界最高水準に達していた。

 そこで、労働党の党首だったロンギ氏は総選挙のテレビCMにかわいい女の子の赤ちゃんを登場させ、「この子は、生まれながらにして5万ドルの十字架(借金)を背負っている」というキャッチコピーを打ち出してキャンペーンを展開した。借金の金額などについては記憶違いがあるかもしれないが、いずれにしても、ロンギ氏率いる労働党は、この印象的なキャッチコピーとともに、経済の立て直しと財政の健全化を公約に掲げ、政権交代を果たした。

 そして「国民の支持を得られなくとも、改革を断行する」と宣言し、財務大臣にロジャー・ダグラス氏を起用して規制緩和、国営企業の民営化、税制改革、補助金削減、行政部門の役割の見直しなどを推し進めた。

 その結果、ニュージーランド経済は低迷から脱し、財政赤字も改善した。この「ロジャーノミクス」と呼ばれる経済・財政・行政改革は、イギリスのサッチャリズム、アメリカのレーガノミクスと並ぶ20世紀の代表的な経済政策として知られている。

 一方、岸田文雄首相には、ロンギ氏のような危機感は全くないようだ。しかし、日本の債務残高はGDP(国内総生産)の2倍を超え、主要先進国の中で最も高い水準にあるのだから、かつてのニュージーランドと同じような状況と言える。経済が成長しないのに、国の債務だけが成長しているという異常事態なのだ。

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