一人カラオケ、一人焼肉、ソロキャンプ。「一人○○」の言葉が生まれて久しく、最近は積極的に一人に時間を楽しむポジティブな意味合いで使われるようになっている。とはいえ、まだまだハードルが高そうな「一人○○」のひとつが、「一人遊園地」だ。園内には、カップル、友人同士、家族連れなどが溢れる中、一人で遊園地に行く人はやはり少数派ではないか。「一人遊園地」を楽しんでいるのは、どんな人たちなのか。そのきっかけや醍醐味について、話を聞いた。
「一人ディズニー」は敷居が低い?
メーカーに勤務する20代女性・Aさんは、もともとは一人で飲食することさえも苦手だったが、コロナ禍で着実に「ソロ活動がレベルアップした」という。
「コロナ禍以降、少人数とか、一人が推奨される雰囲気が出てきたじゃないですか。だから、以前よりも一人でいることに周囲の目が気にならなくなり、それまでカフェでさえ一人では入るのに抵抗があった私が、映画館、ラーメン屋、カラオケに行けるようになり、先日は一人旅もやりました。着実に“レベルアップ”しています」(Aさん)
単独行動に慣れたAさんは、ついに一人で東京ディズニーランドに行くことを決意した。
「自分でも、ソロ活動がディズニーレベルにまでたどり着くとは思いませんでした(笑)。でも、遊園地の中でも、『一人ディズニー』は案外、敷居が低いという話を聞いたんです。ディズニーファンの友人から、『コアなファンこそ一人で行っている』と力説され、いざ行ってみると、実際に一人で来ている人が少なくないことに気付かされます。ディズニーでは各自がその世界観を満喫しているので、周囲の人が気にならないのかもしれません」(Aさん)
誰かと一緒に行くのも楽しいが、一人ならではの楽しみ方もあるという。
「ディズニーも、一人だと自由で気楽。友人と行くとアトラクション重視になってしまうけど、一人だと乗りたいものや回りたい場所の意見が分かれることもないし、疲れたらその場で休める。ショー、買い物、食事、散歩も自分のペースで楽しめます」(Aさん)
ちなみにコロナ禍の現在は休止中だが、コロナ前には「シングルライダー」という、アトラクションの空席に一人客が優先的に案内されるシステムがあった。「一人ディズニー」で、シングルライダーを使って何度もアトラクションを楽しんだ経験のある人もいるのではないか。