トレンド

「芸人の名前かと…」“ボジョレー・ヌーヴォー”がよくわからない若者たち

11月17日に解禁される2022年のボジョレー・ヌーヴォー(サントリーの「ジョルジュ デュブッフ ヌーヴォー 2022」)

11月17日に解禁される2022年のボジョレー・ヌーヴォー(サントリーの「ジョルジュ デュブッフ ヌーヴォー 2022」)

ワイングラスを片手にバブル時代に思いを馳せる

 では、ボジョレー・ヌーヴォー解禁を楽しみにしている人たちの意見も聞いてみよう。金融機関に勤める30代女性・Cさんも、ボジョレー・ヌーヴォーが何たるかはよくわかっていなかったが、意味を知ってからは、飲んでみようと思うようになった。

「旬のものを味わう感覚はいいですよね。私は普段チューハイ派で、ワインは特に飲まないんですけど、新酒ならではのフレッシュ感、フルーティーさがあって飲みやすいと聞いたので、ボジョレー・ヌーヴォーは、年に1回だけワインを飲む日みたいな位置づけです」(Cさん)

 ボジョレー・ヌーヴォーが日本で注目されるようになったのは、バブル景気に沸いていた頃。不景気の中で育ってきたCさんは、ワイングラスを片手にバブル時代に思いを馳せるという。

「親から、バブル期の盛り上がり方がすごかったと聞いたことがあって、私にとっては、“ボジョレー・ヌーヴォー=景気の良かった頃の飲み物”。親自身、なぜあんなに騒いでいたのか、今となってはわからないそうですが、『娯楽が少なかったからじゃない? 今は食べ物も遊びもいろいろあるからね』と言っていました。でも私は逆に、バブルを経験したことがないのでめちゃくちゃ憧れます。『昔はこれで盛り上がっていたんだなあ』と想像すると、なんだかしみじみした気持ちになります(笑)」(Cさん)

 不動産会社で働く60代男性・Dさんは毎年、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁を楽しみにしている一人だが、今年は異変が起きていると嘆く。

「航空運賃の上昇や原料の高騰、それに円安で、去年に比べて1000円以上の値上げというニュースを見ました。750ミリリットルで3000円台後半という値段に……。このご時世、仕方がないのでしょうが、やっぱり少し驚きますね。でも、私は買うつもりです。最近は昔ほどのブームはありませんが、やはり年に一度、決まった時期に決まったニュースが流れ、店頭で手に取ることができる、安心感があるものです」(Dさん)

 若者たちは知らないかもしれないが、ボジョレー・ヌーヴォーで本格的な秋の訪れを感じる人たちもいるのだ。(了)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。