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保険会社の商品設計の専門家が「がん保険や三大疾病保険などは意味がない」と言うワケ

わざわざ医療保険に入らなくても、公的保障だけで充分まかなえることがほとんど(写真:イメージマート)

わざわざ医療保険に入らなくても、公的保障だけで充分まかなえることがほとんど(写真:イメージマート)

 2021年の生命保険文化センターの調査によれば、日本の家庭が1年間で支払う保険料は、平均37.1万円。30年間払い続ければ1113万円にものぼる計算だ。その保険料が、無駄になっているケースも少なくない。

 生命保険会社での勤務経験を持つ、ファイナンシャルプランナーの横川由理さんが解説する。

「たとえ月3000円の保険料でも、20年、30年と払い続ければ、簡単に100万円を超えます。入院しなければ受け取れないような保険に、一生涯でいくら払うことになるのか考えてみてほしい」

 病気になったときに備える医療保険は、加入の優先度は低い。たとえ入院したとしても、自己負担額はそれほど多くないため、保険で備える必要がないのだ。辛口保険評論家でファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんはこう話す。

「わざわざ医療保険に入らなくても、公的保障だけで充分まかなえることが多い。医療費の自己負担額は3割ですし、入院や手術で治療費が高額になっても、高額療養費制度があるので、一般的な所得の人の負担額は月9万円程度で済みます。

 さらに、会社員などは病気やけがのため4日以上連続で働けなくなった場合は、給与の3分の2の傷病手当金が出ます」

 2020年頃から加入者が激増した「コロナ保険」もムダと指摘される。そもそも、新型コロナウイルス感染症は、無症状の場合の検査は全額自己負担だが、感染した場合の医療費は全額公費負担だ。

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