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身内が亡くなってすぐに“銀行口座凍結”はNG 専門家が解説「やってはいけない死後の手続き」

銀行口座凍結のタイミングを誤ると予想外のトラブルも(写真:イメージマート)

銀行口座凍結のタイミングを誤ると予想外のトラブルも(写真:イメージマート)

 家族が亡くなった後の手続きは非常に煩雑で、遺族の負担は大きい。また、ここ数年、相続の制度変更が相次ぎ、それに合わせてトラブルも増加している。「正しい相続の手続き」をするポイントはどこにあるのだろうか。

「相続の手続きで一番注意すべきは、その手続きを行なうタイミングです。役所や金融機関などへの届け出から、戸籍の取得、遺言書の開封など必要な手続きは数多くあるが、タイミングを間違えると大変なトラブルが起き、手間と時間が途方もなくかかる。だからトラブルを防ぐには、最低限、『何をやってはいけないか』を把握しておくことが肝要です」

 そう語るのは、相続を巡る制度変更に備えるためのムック『週刊ポストGOLD 相続の大改正』に登場する解説者の1人である円満相続税理士法人代表の橘慶太氏だ。

 2017年に始めたYouTubeチャンネル「円満相続ちゃんねる」の再生数が980万回を超える橘氏が「身内が亡くなった直後にやってはいけない手続き」を解説する。

【やってはいけないこと】銀行口座をすぐ凍結する

 家族が金融機関に口座名義人が亡くなったことを伝えると、故人の口座は凍結され、原則、預金は引き出せなくなる。口座引き落としもされない。

 重要な手続きの一つだが、凍結のタイミングは要注意だ。こんなケースがある。

 Aさんはアパート経営をしていた父が亡くなると、葬儀後、銀行に連絡して口座を凍結させた。公共料金などの引き落としができなくなっても、自宅に「払込用紙」などが郵送されるから、それでいいと考えていた。

 だが、落とし穴があった。銀行口座が凍結されると、引き出しだけでなく、入金もできなくなる。アパートの住人から振り込まれる家賃も受け取れなくなっていたのだ。

 Aさんはアパートの管理会社から、「振り込んだ家賃が戻ってきたと住民の方から苦情が来ている」と連絡を受けて初めてそのことを知らされた。

「口座凍結後は出入金だけでなく、ATMでの記帳や残高照会もできなくなる。とくに口座に家賃などの入金がある場合、死後は相続人の収入になるので、相手先に連絡して振込先を相続人の口座などに変更してもらってから、故人の口座を凍結するほうがトラブルを防げるし、相手方にも迷惑をかけずに済みます」(以下。「 」内はすべて橘氏)

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