トレンド

神社の参拝「2人ずつの長い行列」がトラブルを生むことも 神主曰く「厳格なマナーではない」

ただし過度に人が集まる場所は注意が必要

 しかし、これが知らぬ間に“参拝マナー”として浸透した結果、トラブルに巻き込まれた人もいる。会社員のBさん(30代男性)は空いている場所で参拝をしたところ、大きな声でクレームを言われたことがある。

「以前、参拝しに行ったところ広い本殿の前に2人ずつの細い列ができていたので、空いているスペースに入って参拝をしたら、後ろから『抜かすんじゃねーよ!』と怒鳴られたことがあります。しかし、賽銭箱は横に長く、かなり大きいなスペースがあった。4列で並ぶことも十分できたと思います。

 気になったのでネットで調べてみたら、〈参拝の為に長蛇の列ができますが、横を歩いて抜かして行く家族がいる。正月早々、神様の前でズルをする事を何とも思わないのですか?〉などと書かれたトピックがありました。これに対して、〈神様はそうしたズルした人を見ていますよ!〉と共感を示すレスも見られ、違和感がありましたね」(Bさん)

 せっかく清い心で参拝に行っても、こうしたいがみ合いがあっては本末転倒だ。実際に神社の側でも「細い行列を作る」参拝者に苦慮しているところもあり、場所によっては、「横に広く並んでください」「4列でご参拝ください」などとアナウンスをすることもあるが、時間が経つとまた細い行列に戻ってしまうのだという。

 もちろん、自由に参拝してよいとはいっても、過度に人が集まる際には注意が必要だ。前出の神主・Aさんは続ける。

「たとえば初詣の日の明治神宮などは、参道に前が見えないほどの行列ができますね。こうしたところで賽銭箱に人が殺到したら、群衆雪崩が起こるリスクがあります。その場合こそ、適切な人数で列を作って、ゆっくりと参拝していくことに意味があります。また境内が狭い神社などでは、結果的に『2人ずつ』というのが適切な人数の行列だということもあり得ます。空いているスペースがあれば細い列を作る必要がない、と申しましたが、その判断は現地の過密度を見て判断すべきでしょう。空いている神社でわざわざ列を作る必要はない、ということです」(A氏)

 初詣の時期は、神社に参拝に行く機会も増える。過密度には注意を払いながら、周囲に迷惑をかけないかたちで参拝したい。(了)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。