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吉田みく「誰にだって言い分があります」

食品値上げに主婦たちの苦悩 「値引き品」買うのに逡巡、「弁当の卵焼き廃止」で夫婦衝突

2023年も飲料品や食料品の値上げが続く見込みだ(イメージ)

2023年も飲料品や食料品の値上げが続く見込みだ(イメージ)

 昨年から顕著な食品価格の値上げが、2月にピークを迎える。帝国データバンクの調査(2023年1月31日時点)によると、主要195社で約5500品目の値上げが予定されており、同1月の589品目から急増。2月は冷凍食品や水産缶詰などの加工食品の値上げが最も多く、今年1〜4月では計1万を超える飲食料品が値上げとなるという。このところ断続的に続く物価値上げは、生活にどんな影響を及ぼしているのか。消費者のリアルな声を、フリーライターの吉田みく氏がレポートする。

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 埼玉県在住のパート主婦・ミツヨさん(仮名、40歳)は、夫と中学生1人、小学生1人の子供の4人家族。このところの物価高騰で家計へのダメージを強く感じているが、買い物の際、“値引き商品”を購入するのに躊躇があり、モヤモヤしているという。

「スーパーに行くと値引きシールが貼られた商品に目がいくのですが、どうしても人の目が気になって買うことができません……。本音は1円でも安くお買い物がしたいです」(ミツヨさん)

 食べ盛りの子供がいることもあり、毎月の食費は10万円近い。物価高騰の影響もあり、最近では10万円を超える月も増えてきたという。出費が増えた分はミツヨさんがパートのシフトを増やすなどしてカバーしている。そんな状態であるにもかかわらず、値引きされた商品を買うのを躊躇ってしまうのはなぜなのだろうか。

「私が利用するスーパーには、同世代の子供を持つママ友が沢山働いています。値引きシールが貼られた商品ばかりカゴに入っているのを見られたら恥ずかしいですし、『生活に困ってるんじゃない?』といった噂をされるんじゃないかって心配で……。人目を気にして値引き商品を買うくらいならパートのシフトを増やして収入を上げた方がマシだと思ってしまうんです」(同前)

 だが夫はミツヨさんの気持ちを理解できないそうで、「気にしすぎ」だと怒られてしまうという。最近はママ友たちが働いていない5キロほど離れた激安がウリのスーパーへ足を運び、少しでも出費を抑える努力をしているそうだ。

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