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おひとりさまの遺産問題 国庫帰属財産とされたくない時の「遺贈」手続きの手順

遺産が国庫行きとなるのを避けるためには、どのような手続きが必要なのか(イメージ)

遺産が国庫行きとなるのを避けるためには、どのような手続きが必要なのか(イメージ)

 相続人となる家族がいない「おひとりさま」の相続で、遺産が「国庫帰属財産」として国庫に入れられてしまうケースが急増している。おひとりさまで遺産を国に持っていかれたくないなら、「遺贈」が選択肢になる。夢相続代表取締役で相続実務士の曽根惠子氏が指摘する。

「『国に納めるために汗水流してお金を貯めたわけではない』という人は少なくありません。『遺贈』をすれば、お世話になった人や団体などに自分の財産を託せます。使途を自分の意思で決められることが遺贈の最大のメリットです」

 おひとりさまで遺言書がないと遺産が国庫行きとなる可能性が高い。

「血縁のない第三者にも財産を渡すことができるのが遺贈で、そのためにはきちんとした遺言書が必要になります」(以下、「 」内は曽根氏)

 遺贈の手続きの手順を解説していく。

相手に伝えておく

 基本的には通常の相続と同じ流れになる。まず財産の棚卸しをして、遺贈したい人や寄付先を決める。続いて、遺産の配分を決めてその旨を遺言書に残す。

 ただし、第三者に財産を渡すことが可能な分、渡す相手をより明確にしておく必要がある。

「遺言書では遺贈先(受遺者や寄付先)を明確に指定する必要があります。あやふやに『人の役に立つところ』などと書くのではなく、遺贈先の正式名称や所在地を記します。また、遺言書に一方的に受遺者の名前を書いただけでは相手の特定が難しいケースもあるので、受遺者の身分証明書を添付するのが望ましい。公証役場で作成する公正証書遺言だと遺贈の場合には受遺者の身分証明書の添付が必須です。自筆証書遺言より公正証書遺言を作成したほうがより確実でしょう」

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