吉田みく「誰にだって言い分があります」

バレンタイン「5000円のチョコ」で感じる“お返し”の負担 物価高時代に露見するカップルの金銭感覚の溝

高級チョコレートがプレッシャーになることも(イメージ)

高級チョコレートがプレッシャーになることも(イメージ)

「お返しは期待しないで」

「その言葉を聞いたとき、正直ショックでした。私だって少ない収入の中から5000円もするバレンタインチョコを買ったのに……。そもそも、おうちデートで節約してばかりで、誕生日プレゼントは私から言い出さないと買ってもくれない。普段からお金に関しての不満がなかったわけではありません。

 チョコを渡した時に彼から告げられたのは、『家の更新手続きもあって出費が多いから、お返しは期待しないで』でした。なら先に言ってほしかったし、私も奮発して買わなかったです……」

 ところがアユミさんの話を聞いていると、どうやら思惑があったようだ。

「5000円のバレンタインチョコを渡したら、倍になって返ってくるんじゃないかという期待があったのも否定できません。私が20代の頃は珍しい話じゃなかったので、そう考えるのがおかしいという感覚はありませんでした。でもこの先、彼と一緒に居てもプレゼントをもらえる機会はないのかな……と思ってしまうと、今後について悩んでしまいます」

 彼はアユミさんと結婚するつもりでいるそうだが、アユミさん自身は気持ちが冷め始めているという。一度結婚について考え直すつもりだそうだ。

 金銭的な理由から、年に一度のイベントを楽しめない人が増えている印象がある。これはバレンタインに限った話ではない。お返しを期待して背伸びしたプレゼントを渡してしまうと、相手側に過度なプレッシャーを与えてしまうことがある。物価上昇が続く今の時代、カップル間の金銭感覚の溝も露見しやすい。相手を喜ばせたい気持ちもあるかもしれないが、負担を感じさせないように配慮するのも大切なことかもしれない。(了)

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