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減配してもJT株を手放さなかった理由は? 配当株投資の達人が教える「有望な高配当株」を探し出す3つの視点

【視点3】「減配」の可能性がある企業の株を買うこともある

 私は「減配する企業を選んでも、必ずしも失敗とはいえない」と考えています。それがどういうことなのかを「JT」(2914)を例に紹介します。

 JT(日本たばこ産業)は、たばこや医薬品のメーカーとして、日本人なら誰もが知っている超有名企業です。JTは2005年から連続増配を続けてきた優良銘柄ですが、2021年に1994年の上場以来、初めてとなる減配(前期比14円減の140円)をしています。大ニュースとしてメディアが報道しましたから、ご記憶の方も多いと思います。

 現在、日本中に「嫌煙ムード」が蔓延していますから、JTの主力商品である紙巻きたばこが売れなくなり、その減少に歯止めがかからないのが現実です。「この先、JTは大丈夫なのか?」という心配の声があるのは当然ですが、私は何の心配も感じていませんでした。

 なぜならば、JTは「おそらく減配するだろうな」と思っていましたから、ある意味では「織り込み済み」のことだったのです。国内のたばこの消費がこれだけ落ち込めば、いずれ減配することは避けられません。減配は避けられないけれども、いずれは元のような増配企業に戻るだろうと考えていたからです。

 その根拠は、次のような4点にあります。

【1】たばこ製造の独占権が認められており、参入障壁が高い
【2】稼ぐチカラのある企業で、利益率が高い
【3】海外に主力を置いており、売上げの約6割は海外事業
【4】たばこ関連企業では世界第3位の規模

 日本国内のたばこ消費量は急激に減少していますが、現在のマーケットはロシアやアジア諸国を中心とした世界中に広がっており、5年や10年でどうにかなってしまう企業だとは、どう考えても思えないのです。

 実際、減配したとはいえ、きちんと140円の配当を出していますから、私としては十分に「許容範囲」と判断しました。結果的に、2022年12月期には188円に増配しています。

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