いまの「お茶碗1杯分」のコメ価格を基準に考える(写真:イメージマート)
平均寿命が延び、「長い老後」で資産が尽きないようにするためには、収入を増やす取り組みとともに、支出を減らすことが重要になる。直近で多くの家庭を悩ませるのが、コメの価格高騰だろう。4月21日に農水省が発表した全国のスーパーでの平均価格は5キロ4217円。15週連続で値上がりとなった。節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が言う。
「すぐにコメの価格が大きく下がる展開は考えにくい。生活を守るうえで様々な検討が必要でしょう。主食であるコメは3大栄養素のひとつである炭水化物を摂るための大事な食材ですが、この状況下では“代替品”を考えることも選択肢です」
丸山氏はまず、コメの「1食あたりの値段」を認識するところからスタートしたいと説く。
「お茶碗1杯は約150グラムで、炊く前の精米ベースで約65グラムになります。5キロの米袋から77杯分取れる計算で、5キロ4000円とすれば『お茶碗1杯=52円』になる。数年前までの1杯20~30円の水準から大きく値上がりしました。この額を基準に、他の炭水化物と比較していくと考えやすいでしょう」
2022年春のロシアによるウクライナ侵攻以降、小麦価格の高騰に伴うパンや麺類の値上げが注目されてきたが、米国から中国への穀物輸出が貿易摩擦で停滞するなどして、直近では小麦価格の下落が目立つ。それに加えてのコメの価格高騰で状況は大きく変わった。
前出・丸山氏はパンなどを選ぶ際のポイントについてこう話す。
「同じ食パンでも、コンビニなどで大手ブランドの商品を買う場合と、業務スーパーでオリジナルブランドのものを買う場合は大きく値段が変わります。前者は1斤が214円といった水準ですが、後者は1斤88円程度。私は業務スーパーで8枚切りの食パンを購入していますが、『1食2枚=約22円』で済む計算です。お茶碗1杯のコメの半額以下で、ジャムやバター、冷蔵庫の余りものを挟んだりしますが、それでも大幅に安く済みます」