新宿からわずか1駅で乗降客数は大きく変わる(小田急・南新宿駅)
日本は世界屈指の鉄道大国。新宿駅が「世界で最も乗降客数が多い駅」としてギネスブックに認定されたのを筆頭に、世界の乗降客数が多い駅ランキングの上位はほとんど日本だが、興味深いのは、大混雑する駅の隣に“マイナーな駅”があることだ。ライターの金子則男氏が、首都圏に存在する「混雑する駅の隣にあるマイナーな駅」の特徴を調べてみた(以下、乗降客数は1日平均のもの)。
目次
新宿→南新宿(小田急線)
乗降客数:43万9840人→3875人(2023年度)
乗降客数世界一の新宿駅の隣に、沿線屈指の乗降客数の少ない駅があるのが南新宿の面白さ。新宿駅から800mしか離れていないのに、乗降客数は小田原グループ全70駅中69位(70位は足柄駅)と新宿の100分の1以下です。駅名には「新宿」という文字が入りますが、住所は渋谷区代々木で、街としては新宿というより代々木。裏道に面する駅の隣はいきなり民家で、ギャップの激しさはNo.1でしょう。
渋谷→神泉(京王井の頭線)
乗降客数:28万5759人→1万870人(2023年度)
とにかくいつも混んでいる渋谷からたった1分電車に乗るだけで、急に静かになるのが神泉駅です。渋谷から500mしか離れていないため、「歩いたほうが早い」ともいえますが、それでも駅前は閑散としています。評判のよい飲食店も並びますが、渋谷駅から歩いて集まるには“微妙”な立地。穴場的なスポットということだけはたしかです。
池袋→北池袋(東武東上線)
乗降客数:40万8382人→9819人(2023年度)
池袋からそれなりに距離があるのに、利用者数が伸びない北池袋。一因として考えられるのが駅の立地です。隣駅の下板橋駅とは800mしか離れていませんし、JR埼京線の板橋駅も同じく800mほど。3駅に利用者が分散しているのでしょう。埼京線の車窓からこぢんまりとしたホームが見られます。