セルフレジの人と接しない利用法が“放置民”を生む要因に?(イメージ)
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の「スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、2024年のセルフレジ設置企業の割合(半数以上の店舗に設置と半数未満の店舗に設置の割合の合計)は37.9%。目新しい存在から、いまや珍しくなくなったセルフレジだが、普及にともない問題視され始めているのは「利用者のマナー」である。商品やカゴを放置するなど、セルフレジの現場ではモノを「置きっぱなし」にする人が絶えないのだという。実態を取材した。
セルフレジは「やっぱり買うのをやめた」しやすい
ふだんコンビニで買い物することが多い主婦の50代女性・Aさんはこう語る。
「最近、商品が放置されているのをよく見かけるようになりました。りんごとかチョコレート、缶チューハイなど、商品はいろいろですが、おそらく会計の時に“やっぱりいらない”と思ったとか、思ったより合計金額より高くて、買うのをやめたといったところでしょう」
有人レジよりもセルフレジの方が、「人の目がないので、放置しやすいのかもしれません」と分析する。
「この前は『何だよ! 現金使えねえのかよ!』と高齢男性が怒った後に、立ち去ったんです。私がそのレジを使おうとしたら、そこには5、6点の商品がそのままで、しかもレジは商品をスキャンしている途中画面のまま……。以前は、早い段階でレジの操作方法がわからず、怒る人が多かったですが、『途中退場で商品放置』はかなり迷惑です」(Aさん)
メーカー勤務の40代男性・Bさんも、コンビニやスーパーで、「商品スキャン画面で放置」に遭遇することが度々あるという。
「セルフレジの操作がわからなかった外国人観光客が、商品をレジ台に置いたまま、未会計の画面で立ち去ったところに何度も遭遇しました。これはまだいい方で、レジでは商品スキャン後の画面で、商品がその場にないこともありました。商品を元の場所に戻していれば問題ないですが、会計せず商品を持ち去った可能性もありますよね……」