投資する銘柄をどう絞り込み、いつ購入するか(写真:イメージマート)
「投資初心者にとって最も大切なことは、マーケットから退場させられずに株式投資を長く続けること」──そう語るのは、年378万円の配当収入を得て、FIREも達成した億り人・投資家「長期株式投資」氏(ハンドルネーム)。同氏は、「単純な作業だけでも大きな失敗を避けることができます」と考える。具体的にはどのようなものか、同氏の新著『フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して、相場で生き残るための投資戦術を紹介する。
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バフェットが重視する「経済的な堀」の概念
別掲図1-1では、各セクターにおける代表的な企業や特定の分野で強みのある企業を100銘柄ピックアップしています。業種は、日本株の分類として伝統的に利用されてきた東証33業種の業種区分です。それぞれの分野で、高い競争力を長年にわたり維持しており、長期保有に値する銘柄群です。
日本の優良企業100選の一覧表(その1)※2024年3月22日現在
日本の優良企業100選の一覧表(その2)※2024年3月22日現在
日本の優良企業100選の一覧表(その3)※2024年3月22日現在
日本の優良企業100選の一覧表(その4)※2024年3月22日現在
投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは、「経済的な堀(economic moat)」という概念を重視していると言われています。この「経済的な堀」とは継続的な優位性を意味し、それを持つ企業は、高水準の利益を長期間にわたり持続することができます。お城にある堀が、敵からの攻撃を防いでくれるというようなイメージです。
『千年投資の公理』という本がありますが、そこでは「経済的な堀」について以下のように記載されています。
・ブランド、特許、行政の認可などの無形固定資産を持つ企業は、ライバル企業がかなわない製品やサービスを販売できる
・販売している製品やサービスが顧客にとって手放しがたいものであれば、乗り換えコストが少しでも余計にかかることによって顧客離れを防ぎ、価格決定力を企業のほうに与える
・ネットワーク経済の恩恵を受ける一部の幸運な企業には、長期間ライバルを閉め出すことができる強力な経済的な堀がある
・最後に生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できる企業にはコスト上の優位性がある
『千年投資の公理』(パット・ドーシー/パンローリング)より
実際に投資を検討する際には上記のような視点を持ち、その企業の強みとは何なのか、「経済的な堀」を持っているのかどうか、について深く考えることで、より精度の高い投資が可能となるでしょう。ぜひ活用してみてください。
これで日本の優良企業100銘柄を投資の選択肢としてリストアップすることができました。