外国人観光客はなぜ日本で中古スマホを買うのか?(イメージ)
中古スマホ市場が活況を呈している。MM総研の調査によると、2023年度の中古スマートフォン販売台数は272.8万台で、過去最高を記録、2024年度には315万台と予測されている。主な要因として指摘されているのは、円安や部材費高騰による新品価格の上昇や、実質賃金の減少などだ。MM総研は今後も中古スマホの需要の増加傾向が続き、「2028年度には438万台に拡大する」と予測する。
そうした中古スマホ市場拡大の牽引役として存在感を増しているのが、インバウンド消費だ。外国人が日本を訪れる理由はさまざまだが、日本で中古スマホを買うことも“お目当て”のひとつになっているという。訪日外国人が日本で中古スマホを購入する実態を探った。
売り場は外国人観光客だらけ
日本政府観光局によると、2024年の年間の訪日外国人数は3686万9900人で過去最高を記録。インバウンド消費も好調だ。観光庁によれば、2024年の消費額は8兆1257億円で過去最高となった。購買意欲が盛んな外国人観光客の買い物スポットの一つが、中古スマホ販売店だ。
「中古スマホに買い替えるつもりで都心の中古スマホ販売店に行ったら、売り場は外国人観光客だらけ。日本人は僕だけだったんじゃないかな。スマホの翻訳アプリで、店員さんとコミュニケーションをとる人もたくさんいました」
そう語るのは、都内在住の40代男性・Aさん(メーカー勤務)。外国人の数に圧倒されて、スマホを買い替えることなく帰宅したという。
X上でも、中古スマホ販売店での外国人観光客目撃談は多い。〈外国人観光客がiPhoneを爆買い〉〈外国人グループが即決買い〉という驚きの声や、〈中古スマホの相場が外国人向けになってる〉〈中古スマホ見て回ったんやけど相場より高かった〉など、一部の観光エリアでの価格上昇に困惑するような声も散見される。
中古スマホを扱うゲオモバイル販売推進部の藤巻亮氏は、「年々増加傾向にあります」とその実感を語る。中古スマホを購入する外国人観光客が増えており、中には“爆買い”する外国人もいるという。
「お土産として購入されるお客様が多く、同じ機種を棚の端から端までください、というお客様もいらっしゃいました」(藤巻氏、以下「」内同)
中古スマホを購入する外国人の出身地に特徴はあるのか。藤巻氏によれば「日本に在住されている外国人としてはベトナムのお客様が多く、インバウンドでは中国、韓国とインドネシアのお客様が多い」そうだ。