小学生の頃からおしゃれが大好きだったという柏木由紀子さん
人生100年時代──育児や介護が一段落した還暦からの人生はまだまだ長い。そんな第二の人生を充実させるためには“生きがい”を見つけることだろう。「生きがい」というと大仰かもしれない。しかし、「夢中になっているもの」を著名人たちに問うと皆、瞳を輝かせて話してくれた。俳優の柏木由紀子さん(77才)もそのひとりだ。
年齢を上手に隠すのもおしゃれの醍醐味
「モデルをしていた小学生の頃からおしゃれが大好きで、60年以上たったいまも変わりません。だから、私にとって『おしゃれが生きがい』だと思います」(柏木さん・以下同)
幼い頃からの「好き」を追求し続けた結果、生きがいになったというわけだ。
「年をとれば誰でも肌の色がくすんだり、しわが気になったりしますよね。でもおしゃれには、それをカバーする力があるんです」
くすんだ肌の色をカバーするために柏木さんが心がけているのは明るい色の服を選ぶこと。60才を過ぎてからは、それまで着ることのなかったオレンジ色にも挑戦するようになったという。
「顔のしわ隠しとして思いついたのは眼鏡です。だて眼鏡なのですが、いろいろなタイプを試しているうちに楽しくなって、いまでは隠すツールから表現するツールに変わりました」
と、おしゃれを楽しむ柏木さんだが、納得のいくコーディネートを完成させるには試行錯誤が必要だという。
「なで肩をカバーするために肩パッドの入れやすいデザインを選んだり、体形をスッキリ見せるために、使う色を3色までにして柄物を避けたり。ファッションにはルールがあるので、それを守りつつ工夫し、自分に合った新ルールを見つけるのが楽しいんです」