ルッキズムの価値観が蔓延する現状に不安を感じる女性たちも(写真:イメージマート)
SNSで整形や痩身に関する投稿が激増している昨今。某美容クリニックの公式アカウントでは、「二重整形モニター」として小学生女児が顔出しで登場し、大きな議論を巻き起こしている。美容外科学会の調査によれば、10代の美容整形希望者は年々増加傾向にあり、2023年には未成年の施術件数が過去最多を更新したという。
こうしたルッキズム社会を目の当たりにし、子どもを産むことに消極的になっている女性もいる。そうした女性たちのリアルな本音に迫った。
「子どものビジュアルでマウントを取る友人が怖い」
都内の広告系企業で働く会社員のAさん(女性・32歳)は、昨年同い年の男性と結婚した。しかし、高校や大学時代の友人が、子どものビジュアルでマウントを取り合う様子に辟易し、「子どもを作りたくない」という気持ちが増していると話す。
「最近、私の周りでも子どもを産んだ友人が増えてきました。でも、生まれたそばから『あの子は目が大きくて可愛いよね』『あの子はちょっと残念』などと平気で言うんですよ。なかには『ママが整形だからね~、赤ちゃんの顔見たら全然違うから、バレちゃうよね(笑)』、『あそこはパパがイケメンだからさ、可愛く生まれてラッキーだよね』などと悪口で盛り上がっているケースもある。
同窓会のような集まりがあった際には、誰の子どもが『可愛い』『可愛くない』で盛り上がって、みんなでインスタを開いて大盛り上がり。また『子どもの顔出しをするか否か』という話題が上がった際には、『顔出しはリスクだけど、二重で生まれたことをアピールするために、目元だけ出すママが多いよね』という話をしている人も……。正直ゾッとします」(Aさん)
Aさんはそうした場に居合わせるたびに、「もし自分が子どもを産んだら、その子が容姿でジャッジされる」と考えてしまうという。
「こんな目が向けられる生きづらい社会で、子どもを産み、育てることに不安を感じます。みんな悪気はないんでしょうけど、あまりに当然のように外見で評価しているのを見て、『ここに自分の子を連れてきたくない』と思ってしまう。小さいうちからビジュアルで差別される社会に、わざわざ自分の子どもを送り込む勇気が持てないんです」(同前)