マック・チェリー氏が実践する「MBO投資」とは
日経平均株価が史上初の6万円台に到達するなど、日本株は高値圏での推移が続いているが、中東情勢をはじめリスク要因はくすぶっており、依然として不透明な状況に変わりはない。そうしたなか、敏腕の個人投資家は、どういった銘柄に目を向けているのか。上場企業の経営陣が自社株を買い取って上場廃止を目指す「MBO(マネジメント・バイアウト)」を狙って大きな利益を手にしているのが、30代で資産11億円を築いた個人投資家のマック・チェリー氏だ。
そもそも「MBO」で儲ける方法とは何か。マックさんが説明する。
「東証が上場企業に求める市場改革によって、資本効率を改善する親子上場解消などのためのTOB(株式公開買付)が増えてきました。TOBで株を買い集める場合、投資家に対して株価に一定のプレミアムを上乗せした買取価格が提示されることが多く、TOBの可能性が高そうな銘柄に先回りして投資しておけば、そのサヤを取る戦略が有効で、私もTOB狙いで資産を増やしてきました。ところが、最近になってその“タマ”がなくなりつつある。そこで、TOB同様に、プレミアム価格で買い取ってもらえる期待が高いMBOを狙ってサヤを取る戦略に切り替えているわけです」(以下、「」内コメントはマック氏)
実際、MBOは増えている。M&A助言のレコフデータによると、2025年のMBO件数は30件と前年比7割増で過去最多。直近でも久光製薬やマンダムなど有名企業が相次いで実施している。増えている背景について、マック氏が説明する。
「会社は株主のものという考えで“株主資本主義”の機運が高まり、アクティビスト(物言う株主)などから資本の効率化(内部留保や保有不動産などの有効活用)が迫られるようになって、経営がおぼつかなくなってしまった。すでに製品名は知られて、会社としての知名度も高いのに、株主対策に追われるばかりで、将来をじっくり見据えた経営にも取り組めないとなると上場を維持する意味がなくなる。そこで目先の株主対策よりも、経営陣が自社株を買い取って非上場化を選ぶMBOという手法が増えているわけです。
また、自社株を買い取る場合、経営陣だけでは資金が足りない場合があり、それを支援するPE(プライベートエクイティ)ファンドが活発化していることも大きい」
