居住用不動産の数が少ないエリアも(新橋)
東京の住宅価格高騰は都心3区(千代田、中央、港)で特に顕著となっている。なかでも古くからの高級住宅地や超高級タワーマンションが多い港区は、その象徴的存在だ。しかし、区内にはそうしたトレンドとは一線を画すエリアもある。不動産データをAIで分析するリーウェイズ社の「10年後の人口増減予測」に基づき作成した港区の“これから発展する駅”ランキングをもとに注目エリアを紹介する。
港区の延べ38駅「2035年の人口増減」を可視化
今回、マネーポストWEBは不動産データをAIで分析するリーウェイズ社が算出した「将来の人口増減予測」を基に、2025年と2035年の予測人口を比べ、その増数が多い順に東京23区の「発展する駅」ランキングを作成した。リーウェイズ社は5億件超の物件データをもとに不動産市場をAIで分析。さらに、国土技術政策総合研究所の「将来人口・世帯予測ツール」(2024年公表)を活用し予測している。
その結果について、不動産コンサルタントの株式会社さくら事務所社長・山本直彌氏が言う。
「不動産の価値を決定づける重要な要素は“人口”であり、その増減は“需要の増減”を意味します。同じ区内でも各駅の将来人口予測は異なり、その明暗を分けるのは『街のカラー』『交通利便性』『価格と立地のバランス』の3要素。住宅価格の高騰により一部の超富裕層しか住めない水準に達したエリアのなかには、住宅地としてのブランド価値が維持できても人口流入は頭打ちになるケースもあります」(以下「 」のコメントは山本氏)
港区には山手線や京浜東北線をはじめとするJR各線、東京メトロや都営地下鉄などの各駅があるほか、湾岸エリアにはゆりかもめの各駅も存在している。延べ38駅をランキングした結果、すべての駅で2035年の人口予測が「増加」という結果になった(複数路線が通る駅で所在地が異なるなど予測人口に違いが出る場合は別駅としてカウント)。港区の住宅事情について、山本氏はこう指摘する。
「港区は従来から人気の高いエリアが多く、すべての駅で人口増加が予想されるのは妥当だと考えます。ただ、実需としての住宅購入層の手が届くエリアとして選ばれているのではなく、インフレ下の資産保持を目的とした海外投資家や富裕層から、都心3区(港・千代田・中央)に該当する港区が、“投資妥当性”があるとみなされ相対的に高く評価されていると思われます」
港区には一般的な「職住近接」の尺度がはまらない
ランキング下位にはゆりかもめ・都営大江戸線の駅である「汐留」(それぞれ32位・667人増/33位・610人増)、東京メトロ銀座線の「虎ノ門」(34位)が並び、最下位はJR各線や地下鉄などが乗り入れる「新橋」(36位・207人増/38位・96人増)だった。
近年は職場と住まいの距離が近い「職住近接」のトレンドがあるなかで、港区のなかでも都心に近いこれらの駅で人口が伸び悩むのはなぜなのか。
