キャリアセンター職員も様々な悩みが(イメージ)
昨今、SNS上で目にする機会が増えた「ギュられる」というスラング。【前編】では、AIに仕事を奪われることを意味するこの言葉を取り上げ、「ギュられる不安」に駆られている就活生たちのリアルな声を紹介した。
「AI時代にも残る仕事は何か?」──その答えを求めて、学生たちが相談に向かう先といえば、大学の就職相談窓口として機能しているキャリアセンター(以下、キャリセン)だ。ところが、AIの急速な普及と進化にともなって、相談を受ける職員や教員らも大きな課題に直面しているという。【後編】
答えられない質問に困惑
首都圏の私立大学で20年以上、就職支援業務に携わっているキャリセン職員の男性・Aさん(50代)は、ここ2、3年で支援業務の質が大きく転換し、答えに窮する場面も増えていると嘆く。
「以前は『安定した業界はどこですか』『福利厚生がいい会社はどこですか』といった相談が多かったんです。でも、コロナが明けて、2024年頃からでしょうか、『AIに置き換えられない仕事を探しています』という学生が増えました。
最近驚いたのは、4月に入学したばかりの1年生が訪ねてきて、『ギュられたくないので、そのリスクが低い仕事を教えてください』と真顔で聞かれたことです。お恥ずかしながら、『ギュられる』という言葉を知らなかったので、彼に説明してもらいました。長く就職支援をしていますが、正直AIのことは疎いし、自分は生成AIを使ったこともない。このままでは支援はできないから、勉強しなくては、と反省しているところです」(Aさん)
Aさんと同じキャリアセンターに勤務する職員の女性・Bさん(30代)は、こう語る。
「職員側も、生成AIの動向や、AI面接などの新しい知識を身につけなければ、学生の不安に答えられない状況です。学生たちから教わりながら、自分でもAIを触っていますが、技術の更新が速く、課金するか否かでも使用感がまったく異なります。
私個人としては、『AIに奪われない仕事』を探して学生に伝えるよりも、『どのような状況に置かれても、新しい技術に触れて学び続ける姿勢』や『どの業界に行っても重宝されるような対人スキル』を身につけられるようになってほしいと考えています。知識や技術はあっても、基本的なコミュニケーション能力が低い学生も多いと感じるので、そこも忘れないでほしいですね」(Bさん)
