「ひとり老後」にどう備えるか(イメージ)
「ある日突然、病院から、父方の叔母が脳梗塞で倒れたと連絡がきました」──都内に住む主婦のAさん(64才)は、一本の電話をきっかけに、ひとり暮らしだった叔母の「その後の対応」を引き受けることになった。
「叔母は夫と死別し子供もなく、私の父もすでに亡くなっていたので近しい親族はいませんでした。そこで10年ほどまったく交流がなかったにもかかわらず、私に連絡があったようです。脳梗塞の後遺症に加えて認知症で意思疎通が難しく、治療方針や延命治療の選択、退院後の住まいも私が決めることになりました」
結局、叔母は3年ほど施設で暮らし亡くなった。
「死後の手続きは大変でしたし、何より本人の意思を確認できないまま、私が叔母の最期を決めてしまった。これでよかったのか、叔母は後悔なく幸せに旅立てたのかと、いまでも考えてしまいます。なにより子供のいない自分が、もし叔母のようになったらどうしようかと不安です」(Aさん)
少子高齢化に伴い、シニアの単身世帯の数は増加の一途をたどっている。さらに平均寿命が延び、長寿社会となったことで、これまで想定されていなかった新たな問題も浮き彫りになってきた。その1つが、「おひとりさま」になるリスクだ。シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどりさんが指摘する。
「『おひとりさま』というと、生涯シングルの人だけだと思われがちですが、核家族化が進み長寿社会となったいま、誰にとっても人ごとではありません。夫との離婚や死別だけでなく、子供が病気になったり、先に亡くなってしまったりと、突然おひとりさまになるケースが増えています。病気や事故などで自立した生活ができなくなった場合を想定し、早いうちからの準備が不可欠です」
