インフレが外食チェーンの経営にどう影響しているのか(写真:イメージマート)
あらゆるものが値上がりするなか、安定した品質の料理を安価に提供し、「庶民の味方」と言われた外食チェーンで値上げが相次いでいる。これまで「値上げしない」と社長自らが繰り返し公言してきたサイゼリヤが、7月15日の決算会見で約6年ぶりとなる“値上げ”の検討を表明。回転寿司最大手のスシローも7月に定番の「厳選まぐろ赤身」などを30円値上げした。他にも、マクドナルドやすき家をはじめ多くの外食チェーンが値上げに舵を切っているが、外食チェーンが相次いで値上げに踏み切る背景に何があるのか──。
人件費を削ると人が集まらないので値上げせざるを得ない
振り返れば、デフレ下では過度な価格競争が繰り広げられた。2000年にはマクドナルドのハンバーガーが平日半額の税抜き65円、2002年には過去最安の同59円にまで下がったほか、牛丼も300円以下が当たり前だった。低価格で消費者の支持を集める企業こそが「勝ち組」と評された。
しかし、インフレが加速する現在、「値上げしても客離れにつながらない『インフレ対応力』が必要な時代に変わった」と調達・購買業務コンサルタントの坂口孝則氏は指摘する。背景には外食産業が置かれた厳しい環境があると坂口氏は続ける。
「少し前まで外食産業は『原価(材料費)』『人件費』『エネルギー』の高騰による“三重苦”でした。それが来年4月に予定される食料品の消費減税で、テイクアウトなら消費税が1%になるのに、店内飲食は消費税10%と、9%の差が生じることから“四重苦”が迫ろうとしています」
