優勝争いを独走する大の里
「土俵には金(カネ)が埋まっている」──優勝戦線を独走する横綱・大の里の懸賞が凄いことになっている。両国国技館で行なわれている大相撲は、秋場所としては過去最高の3895本(これまでは昨年の3108本)の懸賞の申し込みがあり、力士別では399本が大の里戦を指名したもので、2位の関脇・熱海富士指定(213本)の倍近くあった。協会関係者が言う。
「懸賞は個人指定のほか、結びや横綱戦を指定することが多い。そのため結びの一番の横綱戦に集中することになる。ところが、今場所はもうひとりの横綱・豊昇龍が初日から休場しており、結びの一番には個人指定で1位の横綱・大の里が連日登場している。
国技館ではひとつの取組に懸けられる懸賞の上限は最高60本(森永賞を入れて61本)だが、大の里戦には連日上限近くの懸賞が懸かっている。しかも12日目まで1敗しかしておらず、大の里が懸賞の独占状態になっている」
初日の大栄翔戦に61本の上限だったのをはじめ、2日目(琴勝峰戦)59本、3日目(琴栄峰戦)61本、4日目(高安戦)61本、5日目(義ノ富士戦)59本、6日目(豪ノ山戦)58本。7日目から9日目までが60本、10日目と11日目は58本で、12日目(熱海富士)48本の懸賞が懸けられている。4日目の高安戦で敗れたが、12日目までに642本を獲得。金額にして3852万円(1本6万円として計算)となる。2位の安青錦が245本。安青錦は序盤で3敗したとはいえ、大の里は2.5倍超を獲得している。
連日満員御礼が続く国技館。懸賞金の総本数も過去最多を更新している
優勝賞金1000万円を軽く上回ることに
近年、懸賞申し込み本数は急増し、過去最高を次々と更新している影響もある。昨年9月場所に13勝2敗で優勝した時は519本だったが、今場所は千秋楽まで勝ちっ放しなら800本を超える可能性がある。
「昨年横綱に昇進した大の里は年3回の優勝をしたが、1年間で稼いだ懸賞は2432本だった。昨年の3分の1を1場所で稼げるかもしれない。やはり、もうひとりの横綱・豊昇龍が休場したことは大きい。
ただ、千秋楽を待たずに横綱の優勝が決まる今回のような展開になると、13日目の大の里対霧島の結びの一番が45本、人気力士同士の安青錦対琴櫻戦が上限の60本の懸賞が懸かるといった逆転現象も起きることもある」(相撲ジャーナリスト)
それでも大の里が14勝1敗で優勝し、懸賞800本を獲得することになれば、優勝賞金(1000万円)の5倍近い4800万円の懸賞を手にすることになる。
今場所のように横綱が強いと下位力士も影響を受ける。7月場所は横綱の豊昇龍が7敗(不戦敗含む)、大の里が6敗したことで、2横綱に勝った藤ノ川や熱海富士が150本超えの懸賞を手にしたが、今場所この恩恵を受けたのは4日目に大の里を破って金星を挙げた高安だけ。平幕でひとりだけ100本超え(12日目まで)をしている。
懸賞の新規申し込みが増えたことで、幕内前半の取組から懸賞が懸かるようにもなった。今場所の新規申し込みは15社あり、拓殖大学が同校OBの藤凌駕、朝白龍の取組に懸賞を懸けている。自身の四股名を授けて聖白鵬としてデビューさせた元横綱・白鵬翔氏の愛弟子の寿之富士は新入幕ながら勝ち越しに王手をかけて27本の懸賞を獲得している。
横綱が弱いと番付崩壊という問題が起きるが、強い横綱を倒すのは相撲の醍醐味。その報酬として弁当箱のような懸賞の束を受け取ることができるのだ。
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