6場所ぶりに賜杯を手にした大の里(写真・時事通信フォト)
大相撲9月場所で6場所ぶり6度目となる涙の優勝を飾った横綱・大の里。大関・安青錦との千秋楽相星決戦を制し、今年初の横綱の優勝で番付最高位の権威を守った。大相撲は「土俵にはカネが埋まっている」といわれる世界だが、1年ぶりに優勝賜杯を手にした大の里は、今場所どれぐらいのカネを手にしたのだろうか。
角界では十両以上の「関取」に給料が支払われる。横綱の給料は来年1月から月330万円に改定されるが、現在は月300万円が支給される。この基本給に加えて、能力給とも言える報奨金が場所ごとに年6回支払われる。
「報奨金とは“持ち給金”とも呼ばれる角界独特の給与システムです。番付に載れば3円の基本金が与えられ、勝ち越し1点につき50銭が加算される。勝ち越すたびに加算されていき、十両になると40円、幕内になると60円、大関で100円、横綱は150円といったかたちで最低保証額に引き上げられる。平幕力士が横綱に勝てば(金星)10円、幕内優勝30円、全勝優勝50円が加算され、これを4000倍した額が場所ごとに支給される。ただ十両以上に出世しないと積み立てた額を受け取ることができません」(協会関係者)
大の里はこれまでに獲得した金星はゼロだが、これまで5回の優勝を飾っており、今場所の持ち給金は260円。これを4000倍した104万円が支給される。本場所特別手当の20万円を加えて424万円が成績に関係なく支給される額となる。
今場所12勝3敗で優勝した大の里にはさらに幕内最高優勝の賞金1000万円が支払われた。加えて幕内以上の力士の大きな収入になっているのが懸賞だ。
「相撲人気に支えられ、毎場所のように懸賞は増え続けている。9月場所は15日間の懸賞総数が3688本となり、5月場所の3563本を125本上回り、1場所での最多記録を更新している。懸賞の数は力士の人気のバロメーターであり、横綱戦や結びの一番に集中する傾向がある。今場所はもうひとりの横綱・豊昇龍が初日から休場しており、結びの一番の大の里戦にはひと取組に懸けられる懸賞の上限は最高60本(森永賞を入れて61本)に迫る本数が連日のように懸けられた」(前出・協会関係者)
大の里は4日目の高安戦、13日目の霧島戦、14日目の琴櫻戦での星を落としたことで、156本を手にする機会を逃したが、15日間で698本の懸賞を獲得した。1本6万円で計算すると4188万円となる。給料や報奨金、手当、優勝賞金を加えると、15日間で5612万円を稼ぎ出したことになる。
アラブ首長国連邦友好杯からは「ガソリン1年分」
また、優勝した大の里には天皇賜杯、内閣総理大臣杯のほか、チェコ国友好杯、モンゴル国総理大臣賞、タイ友好杯、ハンガリー国友好杯、イタリア政府優勝杯、日中友好景泰藍杯など数々の賞が手渡された。各賞には「合計すると1000万円を軽く超える」といわれる金一封や豪華な副賞がついてくる。特に豪華な副賞だったのが、アラブ首長国連邦友好杯の「ガソリン1年分」、福島県知事賞の「金一封50万円」および「ふくしまの米1トン」、宮崎県知事賞の「宮崎牛1頭分」および「旬の野菜・果実1トン分」、大関賞の「清酒大関四斗樽」および「ワンカップ大関1年分」が贈られた。
大の里の持ち給金は優勝の30円、勝ち越し9の4.5円で計34.5円が加算される。11月場所は金額にして13万8000円の昇給となる。「土俵にはカネが埋まっている」というのは本当のようだ。
角界のカネをめぐる仕組みは複雑だ。関連記事『《大相撲「給金番付」を一挙公開!》横綱・大の里よりも持ち給金が多い十両力士とは? 来年からの「給与改定」で横綱は年収420万円アップ、懸賞金激増で“臨時収入”年間約1.5億円も』では、全幕内力士の給金番付を公開。大の里よりも持ち給金の多い十両力士が存在する実態をレポートする。
