田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国本土市場がマクロ統計に反応しないのはなぜか?

中国本土市場の売買代金の8割超を個人投資家が占めているという

中国本土市場の売買代金の8割超を個人投資家が占めているという

 東京やニューヨーク、香港などでは、中国のマクロ統計に対する関心が比較的強いが、中国本土では、そうでもない。結果が市場予想よりも、良くても悪くても、上海総合指数がそれによって大きく左右されることは少ない。

 なぜだろうか?

 本土相場には核となる材料がある。たとえば、1月の急落以降、白酒セクターが半年程度、買われ続けた。代表銘柄である貴州茅台(上海A株、600519)は1月14日に安値189.34元を付けた後、大きな上昇トレンドが出て、7月7日には高値326.80元を付けており、上昇率は72.6%に達している。ちなみに、この間の上海総合指数は0.3%上昇に過ぎない(ただし、終値ベース、以下同様)。

 また、新エネルギー自動車関連も比較的息の長い相場であった。中でもリチウム電池関連に大きな動きがあった。代表格である多弗多(深センA株中小企業板、002407)は3月8日に安値20.02元を付けた後、押し目を作りながらも上昇、6月16日には高値47.68元を付けており、上昇率は138.2%に達している。この間上海総合指数は1.0%下落している。

 決算発表後は高配当、高分割企業が買われたり、IPO(新規上場)に注目が集まると次新股(IPO後の連続ストップ高の時期が終わり株価が落ち着いた水準にある銘柄や、IPOから1年未満の銘柄など)が買われたり、相場に手詰まり感が高まるとバイオ医薬セクターが買われたり、いろいろな材料が入れ代わり立ち代わり出てきて、それらの間を循環物色が進むことで、相場は動いている。

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