藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

新NISAの投資枠は年間最大360万円 無理してでもたくさん投資すべきか、資産運用に回すお金の考え方

新しいNISA制度では年間投資枠が大きく拡大する(写真:イメージマート)

新しいNISA制度では年間投資枠が大きく拡大する(写真:イメージマート)

 2024年から新しくなるNISA(少額投資非課税制度)。新NISAの年間最大投資枠は360万円となる。では、実際に資産運用に回す金額はどれぐらいを考えておけばよいのだろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第33回は、「資産運用に充てる資金の考え方」について。

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 2024年から採用される新NISAの年間最大投資枠は、積立投資枠で120万円、成長投資枠で240万円、合計で360万円になります。長期投資をする場合は、なるべく早く投資をしたほうが、複利の効果が働いて資産運用の果実は大きくなります。そのため2024年から毎年360万円×5年で生涯投資枠を消化してしまうのがもっとも有利との意見もちらほら。そんな話を聞くと、無理してでもたくさん投資したほうがいいのかと心がざわついている人もいるのではないでしょうか?

いざという時の生活防衛資金を確保

 どれくらいの金額を投資に回せばいいのかを考える時、まずは生活防衛資金をいくら確保しておくか考えましょう。生活防衛資金というのは、病気になった、事故にあったなど、なんらかの事情で労働収入を突然絶たれた場合に、当面の生活を支えるための資金です。一般的には、社会保障が手厚い会社員の方は、収入の3ヶ月分、自営業の方は半年分が目安となります。

 それ以外に、5年以内で必要と分かっている学費などがあれば、その分も確保して、預金や国債など元本割れしない金融商品で保有しておきます。

「自由に使えるお金の10%」が目安

 仮に、生活防衛資金をのぞいて300万円残っているとしたら、2024年中に300万円をすべて新NISA口座で投資をしてもよいと思います。万が一、生活防衛資金で賄えないような事態が起こったとしても、NISA口座で購入したものを売却すればよいので、それほど気構える必要はありません。300万円の投資方法はいろいろ考えられますが、なるべく早く資金を運用するなら、成長投資枠で一括240万円を投じ、残り60万円は毎月積立投資していくのがよいでしょう。

 ちなみにNISA口座の中に運用資産を移すのは「年率1%の利回りに近いメリット」と考えられます。なぜなら、仮に年平均5%の利回りで運用できるとしたら、通常の課税口座なら約2割の税金を払わなくてはいけないので、それが免除されるとすれば1%得をすると考えられるからです。

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