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10年で3割減「若者の献血離れ」どう食い止める? 「行ったことがない」若者の本音と日本赤十字社の取り組み

「若者の献血離れ」に歯止めをかけるために何が必要か?(Getty Images)

「若者の献血離れ」に歯止めをかけるために何が必要か?(Getty Images)

 病気や手術などで、輸血を必要とする患者のため不可欠な「献血」。自らの血液を無償で提供するボランティア行為だが、若年層の献血協力者数が年々減っているという。

 日本赤十字社によると、10~30代の献血協力者数は、2012年の約254万人から2021年の約174万人に減少。この10年間で約30%減となっている。もちろん少子化の影響もあるが、それだけでは説明のつかない“若者の献血離れ”と言っていい状況だ。当の若い世代、また日本赤十字社はどのように受け止めているのか、それぞれに話を聞いた。

 都内の私立大学に通う男子大学生・Aさん(20代)は、今まで一度も献血に行ったことがない。

「人のためになるのはわかるけど、注射器が怖いです。献血をする場所で、ジュースやお菓子を食べられるというのは聞いたことがありますが、それを目当てにするほどでもないと思うし、行く機会がないというか。街中で献血を呼び掛ける声も時々耳にしますが、だからといって行こうとは思わない」(Aさん)

 献血といえば、漫画やアニメ、Vtuberとのコラボやキャンペーンもたびたび話題になる。Aさんは「僕の好きな作品とコラボしたら、献血に行っちゃうかもしれませんが、今のところそんなコラボもないですしね」と言う。

 献血をしたことがある若者は、献血離れについてどう思っているのか。IT企業に勤務する女性・Bさん(20代)は、「あくまで私の周りでは」と前置きしたうえで、こう語る。

「結局、献血に触れる機会があるかどうかですよね。私は子供の頃に親が事故に遭い、輸血を受けていたことで、献血の大切さを知り、専門学生の頃からよく献血に行っていました。社会人になってからは、会社に来ていた献血車で初めて献血した知り合いがいます。きっかけがあるかないかというのは大きいかもしれません」(Bさん)

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