大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

AI社会で生き残れる仕事は「学校教育の外側」にある キーワードは「構想力」

シンギュラリティ後も生き残る仕事

 AIに置き換えられない仕事はほかにもあります。たとえば、看護や介護、出産・育児、カウンセリングといったものですね(図を参照)。

【図】シンギュラリティ後も生き残るのは「構想力を活かす仕事」と「AIが苦手な仕事」

【図】シンギュラリティ後も生き残るのは「構想力を活かす仕事」と「AIが苦手な仕事」

 とくに日本の場合には、医療の分野で、少子化というのを強調し過ぎているので、産婦人科を選ぶ人が少ないんです。だから今、地方によっては、出産の時に陣痛が来てから2時間から3時間も運転しないと行けないというようなところがけっこう出てきています。

 あるいは、奥さんのほうの実家で産んで、しばらく実家にいるという、このパターンが今、新型コロナ禍でできなくなっている。それで、たとえば最近できた神奈川県横須賀市の「マームガーデン葉山」という施設は、利用料金が1泊4万円以上で、最も広い部屋は1泊10万円を超えるような高額ですが、かなり人気となっています。出産前から入って、産後もしばらく滞在して手厚いケアを受けられます。

 このように考えてみると、コンピューターにできないことというのは、意外に多岐にわたって、いろいろあることがわかります。

 それで、シンギュラリティ(技術的特異点)後も生き残る仕事というのは二極化します。

 1つは、構想力を生かした、「経営者」「起業家」「スポーツ選手」「音楽家」「料理人」「アニメーター」「ゲームクリエイター」「研究者」……こういうものですね。

 もう1つは、AIが苦手な仕事の「介護士、看護師」「出産、育児支援」「ソーシャルワーカー」「心理カウンセラー」「聖職者」などです。

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