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相続税に課税強化の流れ 「自分の家族に相続税はかかるのか」把握しておくべき基本ルール

「自分の家族に相続税はかかるのか」「かかるならいくらなのか」を知ることが大切(イメージ)

「自分の家族に相続税はかかるのか」「かかるならいくらなのか」を知ることが大切(イメージ)

 相続のルールが相次いで変わっている。次なる「大改正」は2024年に迫る。課税強化の流れに抗うには、新ルールの適切な理解と活用、そして相続財産のなかでも大きな割合を占める家(不動産)を巡る対策が必要だ。「家族の相続税」を安くするために、まずは財産整理のポイントから見ていこう。

 相続税は課税強化の流れが続いている。最も影響が大きかった2015年の相続税制改正では、それまで「5000万円+1000万円×相続人の数」だった相続税の基礎控除額が「3000万円+600万円×相続人の数」まで大幅に引き下げられた。

 これに伴い課税対象者が急増し、亡くなった人のうち相続税の納税が必要な人の割合を示す「課税割合」は、2014年の4.4%から2021年には9.3%に倍増している(生命保険文化センター)。

 2023年度の税制改正大綱でも相続のルール変更が明記され、さらなる課税強化が控えている。そうしたなかで「家族の相続税」を安くするには、まずは相続の基本ルールを知り、自分の家族では相続税がいくらかかりそうなのかを見極めなくてはならない。

 最初に行なうべきは財産の棚卸しだ。それには、全財産をまとめた「財産目録」の作成が有効となる。税理士法人タックス・アイズ代表で税理士の五十嵐明彦氏が語る。

「財産目録には不動産や預貯金から有価証券、乗用車、生命保険や宝飾品といったあらゆる財産を漏れなく記すことが重要で、財産を有する本人が作成することが必須です。また、住宅ローンや借金といった“負の財産”も必ずすべて記入しましょう」(以下、「 」内は五十嵐氏)

 財産目録はできる限り詳細な記入が鉄則だといい、預貯金はすべての銀行名と口座番号を記し、有価証券はすべての証券口座と銘柄ごとの株数や目録記入日での終値で評価額を記入する。

「不動産に関しては、土地は『相続税路線価』で評価し、建物は『固定資産税評価額』での評価が基本です。ただし、時価での評価も認められており、住んでいる地域によってはどの評価方法を選択するのが得策かの結論が変わってくるケースもあるので注意が必要です」

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