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回転寿司店の元店員が明かす「ネタ再利用」の手口 変色したまぐろを揚げ物にする“悪魔のルール”

回転寿司店の食材管理の実態とは?(写真:イメージマート)

回転寿司店の食材管理の実態とは?(写真:イメージマート)

 たゆまぬ企業努力が生み出した「安くておいしい」が魅力の回転寿司。しかし、ネットに投稿される“迷惑動画”が大きな話題となったり、消費期限切れネタが提供されていたことが報じられたりするなど、回転寿司店への信頼を揺るがす出来事も起きている。

 回転寿司店で働く人たちを取材すると、たしかに不適切な行為があったと証言する声がある。ある回転寿司チェーンで厨房を長年担当していたAさんが働く店は、鮮度が落ちて生で使えなくなったネタを処分せず、「再利用」することも多かったという。

「レーンに流してからある程度の時間が経つと、ネタが変色するんですよね。少し黒ずんだまぐろは一旦裏に下げ、揚げ物にしていました。社員ですら、『握りは無理でも火を通せばまだ食べられる』と言っていた始末です。この“悪魔のルール”は暗黙の了解という感じで、日常的に行われていましたね」(Aさん)

 傷んだ生の魚を加熱もせず、翌日も生のまま提供する驚くべき店もある。

「ぼくはもう、調理場が客席から見えないようなチェーン系の回転寿司には行けないです……」

 そうつぶやくのは、広島県内の大手回転寿司チェーンの店舗で働いていたBさん。勤務する店はいつも家族連れで賑わっていたという。

「店に活気を出すために、店長からは『とにかくレーンいっぱいに寿司を流せ』と言われていました。とりあえずたくさん必要だから、と後先考えずに作り続けるので、残ってしまう寿司も多かった。

 閉店時にレーンに残った寿司を廃棄しようとしたら店長に『いかは変色しないからバレないよ』と言われました。言われたことの意味がわからずにいると、店長はレーンから引き上げたいかをそのまま冷蔵庫に入れ、翌日出していました」(Bさん)

 一度解凍した魚介類を再度冷凍すると品質が落ち、雑菌が繁殖するリスクがある。本来、再冷凍はご法度だが、Bさんの店はためらわなかった。

「客が多い週末はネタが切れないよう多めに解凍しますが、天候などの影響で予想より客が少ないこともあります。そんなとき、店長は当たり前のように再冷凍していました」(Bさん)

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