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有識者20人が選ぶ「次の経団連会長」に相応しい経営者ランキング 1位はトヨタ・豊田氏、2位はDeNA・南場氏

「学者」という選択肢も

 ソニーグループ・吉田憲一郎会長(6位)は、経済安全保障上の重要度を増す「半導体」分野で活躍が見込まれている。

「ソニーは次世代半導体の国産化を目指す新会社ラピダスに共同出資している。AIや自動運転に欠かせない先端半導体の技術開発は政府と財界が一体となったプロジェクト。現在経団連の審議員会(会長の諮問機関)副議長を務める吉田氏の昇格を期待する」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)

 8位には、三井・三菱などの財閥系を押し退け、総合商社の世界で成長を続ける伊藤忠商事・岡藤正広会長が入った。

 4月発売の『文藝春秋』では岸田文雄首相、脳科学者・中野信子氏と鼎談するなど、政権との距離の近さをアピールしているようにも見える。

「今後はあらゆる産業セクターと関連する商社が経団連会長を務めるのも一手。米中対立で経済的に難しい判断を迫られた時、伊藤忠が持つ中国とのパイプもひとつの強みとして働くのでは」(経済ジャーナリスト・森岡英樹氏)との見方もある。

 日本の産業構造の変化から、外食産業大手のゼンショーホールディングス・小川賢太郎会長(16位)を推す声もあった。

「すき家、はま寿司、なか卯などを傘下とする同社は、総勢15万人以上を雇用する、サービス業で日本最大級の雇用主。サービス産業が日本経済の中核となるなか、財界トップに相応しい」(ジャーナリスト・大西康之氏)

 一方、経済アナリストの森永卓郎氏は「消費増税反対」の立場から、経営者ではなく京都大学・藤井聡教授を推す。

「日銀総裁にも戦後初めて学者が就きましたし、経団連会長も学者出身でいい。消費増税反対派の藤井氏には消費税撤廃が成長をもたらすことを企業に説明し、経団連として政策提言してほしい」

 日本経済を牽引するリーダーの出現が待たれる。

※週刊ポスト2023年5月5・12日号

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