マネー

「老老介護で苦しむよりは良かったのかも…」両親を早くに亡くした70代女性が“今だから言える”本音

若い時に介護を経験したことで固めた「決意」

 結婚相手の両親は、ケイコさんに両親がいないことを気にしなかったばかりか、「これからは私たちを親と思いなさい」という言葉をかけてくれ、救われた。しかし結婚から3年後、今度は義両親に介護が必要な状態になり、ケイコさんは再び介護生活に入った。義両親はどちらも病気ですぐに他界。その後、2人の子宝にも恵まれ、穏やかな暮らしを送っていた。

「当時は頼る人がいなく、子育ては大変でしたが、高度成長期だったので、給料は倍々ゲームでもあり、夫の収入だけで金銭的に苦労はなかったのは本当に幸いでした。その一方で、自分が若い時に介護で苦労した経験から、子供たちには絶対迷惑をかけたくないと思ったので、とにかく節約、貯金を心がけました」

 それから時は流れて子供は巣立ち、ケイコさんは60代に突入。夫婦2人の生活を楽しんでいたが、東京に住む姉の夫の両親が介護状態になったことで、姉から“要請”が入った。自分の子供は働いているし、あまり迷惑をかけたくない。時間に余裕があり、都内に住むケイコさんなら通えるはずだ、というわけだ。

「絶対に外部に協力を仰ぐべき」

「自分も姉も60代なので、やはり体の負担は大きい。特に80代の男性をお風呂に入れるのが大変でした。若い頃ならなんとか体力で押し切ることができることでも、私も姉も腰を痛めましたし、なんなら姉と喧嘩になることもしょっちゅう。7歳上の姉は、『アンタのほうがまだ若いんだから、頑張って』とか言うんです。父のときは何もしなかったのに……。

 その後、姉の両親は施設に入ったので、私の介護生活はなくなりました。何度かの介護経験を経たことで一つ言えるのは、『家族だからなんとかしてあげたい』という気持ちが湧いてしまいがちですが、絶対に外部に協力を仰ぐべきだということ。利用できる制度などの情報に疎いと、自分や身近な人が苦労するばかりか、人間関係も悪くなります」

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。