中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「この企画、炎上しませんか?」“何が誰の逆鱗に触れるか分からない時代”企業はどうリスクマネジメントすべきか

東洋水産が行った正しい対応

 コンビニのアイスケースにバイトが入って、その写真をツイッターに投稿するような“明らかに炎上しそうなもの”のリスクは想定できますが、最近は何が誰の逆鱗に触れるかが分からない。だから、私が企業から相談を受けた場合、そうした想定外のことが起こる可能性を伝えるようにしています。

 そうすると「私どもにはまったく知らない事例と視点を提供していただきありがとうございます。これも踏まえたうえで企画は進めて行きます。さらに疑問や不安点がありましたらまた連絡します」という返事が来ます。

 これだけネットを見ていると「この表現はアノ属性の人が怒るだろう」「この人を起用すると、必ず過去の行為がぶり返されて叩かれるだろう」などが分かってくるため、そこをレポートにするわけです。

 ただ、多くの場合、企業の担当者は心配し過ぎだと思います。ネットで話題になるだけで「炎上している……」とビビってしまうのかもしれません。たしかに不快に思う人は高い熱量でもって仲間と連帯して批判の書き込みを何度もしますが、その実数は少ないことが多いのです。他の人は「これって怒るようなことか……?」となる。上記の丸ちゃん正麺なんて、その最たるものです。第一話が「炎上」したことになりましたが、実際は「怒っている人がそこそこの数いて、大多数は冷ややかに怒っている人を眺め、東洋水産を気の毒がった」といったところでしょう。

 その後、東洋水産はサイトから執筆した漫画家の名前を外し、チームで制作しているということを明言して著者への配慮をしたうえで、さらには、誰かを怒らせる要素を極力排除し、ウェブ漫画掲載を第二弾以降も続けました。

 これは、「誰から見ても決定的な問題があるとは断定できないが、漫画家さんのことは守ろう」という正しいリスクマネジメントでした。その後は、第一話に怒った人々も振り上げた拳のやり場に困ったわけです。

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